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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 343

隆史はまだオーナーと名乗り出ないで、初音の対応をみようとしらばっくれていた。
清水真奈美の様子を遠目で観察している。
谷崎初音がカフェに来るとその場にいた全員が同じタイミングで初音の顔を見たので、初音が一瞬驚いて動きが止まり、表情がこわばった。
「取材は他の利用されるお客様のこともありますので、オーナーの許可をいただいてからでなければ、お受けすることは残念ですができません」
初音も清水真奈美の話を聞いた上で、隆史に聞こえるように返答した。
「取材ではなく、撮影スタジオを一度実際に利用していただければ、あまり有名になってしまうとお客様の対応に支障も出てくるかと思われる点も御理解いただけるかと思われます。今からふもとの町まで歩いてお帰りになられるのも大変ですし、山道を歩き続けたのなら、お疲れかと思います。オーナーの許可があれば、空きの客室もございますから、お泊まりいただいてゆっくりと体の疲れを癒していただければと思います」
初音は温泉宿の若女将であることも清水真奈美に話して「オーナーの許可」を強調して説明した。
谷崎初音が清水真奈美にひとまず話をしたところで吉川雅美を連れて、浴衣姿のままな八神渉がカフェに戻ってきた。
「あっ、隆史さん、あの、綾子さんがお食事の用事もできると伝えて下さいと頼まれました」
吉川雅美が隆史のテーブルのそばに行き、伝言を伝えた。
それを聞いた清水真奈美が隆史を見つめた。
(あー、これは、ばれたな)
隆史が席を移動して、初音の隣に座った。
「オーナーの檜垣隆史です。取材のお話はありがたいのですが、事情は詳しくご説明できませんがタイミングをずらしていただけたらお受けできるかもしれません。また担当者であるうちの谷崎初音の言うように一度撮影スタジオをご利用いただいてから、御検討いただきたいと思います。宿泊は空きもあるようなのでご利用いただけます。料金につきましては谷崎初音のほうからお聞き下さい。遠くからお越しいただきして、誠にありがとうございます」
普段の隆史とはちがった雰囲気と口調で言ったあとで、ちらっと麗を見てから「では、初音さん、お客様のご案内を吉川さんと一緒にお願いします」と言って、恵美に目配せして、恵美を秘書のように連れてカフェを出て行った。
(隆史さん、大人の仕事のできる男っぽい感じで、けっこうかっこ良かった。素敵!)
谷崎麗がさっきまで機嫌を損ねていたが、隆史の見たことのない一面を見て、うっとりとしていた。
本条恵美は隆史がけっこう演技力があるのを知っている。バツイチの阿部美紀を、倉持志織の経営する女性支援センターの職員のふりをして対応しているのを盗撮記録したときに、隆史の演技力を見た。
「隆史さんの秘書っぽく見えたでしょうか?」
「うん、ばっちり。それにしてもオーナーとかみんな言ったことないのに、丸投げしてくるとは思わなかったぞ」
「ふふっ、オーナーの隆史さん、あのライターさんもなんかかわいい感じの人でしたね」
「仕事に疲れた女って感じだったな。温泉に肺ってリフレッシュして欲しい」
この湯治場には隆史と徐麗花がいる。
初音の撮影スタジオと温泉を取材するために来たライターだが、檜垣隆史と徐麗花が滞在していたと誰かに情報を漏らした場合は、ライターはトラブルに巻き込まれる可能性がある。
日本の裏社会の権力者と人身売買組織の女首領がつながりがあると知られたら都合が悪い者もいて、情報を消すためにライターの清水真奈美も消されてしまうかもしれない。
たから、隆史は清水真奈美に「タイミングをずらして」と言ったのだった。
ライターの清水真奈美は自分が危険な情報に首を突っ込んでいると理解していない。裏社会の情報に詳しい者であれば気づいて、命乞いをするだろう。誰にも言いませんから、命だけは助けて下さいと。
SM愛好家だと世間に知られたくない者たちが目立たない場所として利用している撮影スタジオなのも清水真奈美は理解していないようである。
(どうやって取材を諦めてもらう気かしら?)
本条恵美はそう考えていた。
一番簡単な口封じは弱みを握ること、一番あてにならない口封じは口止め料を払うこと。一番確実なのは殺して失踪者にしてしまうこと。
隆史や徐麗花にはどれも可能である。
徐麗花の片腕ともいえる腹心の燕杏がいたのもライターの清水真奈美の運が悪い。一番確実な方法をためらいもなく実行できる人物がここにはいる。

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