PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 323
 325
の最後へ

媚薬の罠 325

「小西さんか憑いているのはこのホテルの建物なのかな、それともこの土地なのかな?」
「それは、私にはわかりません」
小西真由美は隆史に質問されて答えた。
「初めは殺された部屋から出られなかったんですけど、今はホテルの周辺なら歩いて出られます。あと生前に行ったことのある場所には行けましたが、すぐに部屋に戻されました」
風俗店の控室があった事務所だった空き部屋に行ってみた話を小西真由美は話して聞かせた。
「雨の夜にタクシーに乗る幽霊って話は聞いたことがあるな」
(普通は幽霊を成仏させたり、供養してみると思うんだけど、隆史さん、この人のことが本当に気に入ったみたいね。ひとりでホテルに閉じ込められてるのも、かわいそう。なんとかならないかしら?)
本条恵美はそう考えていた。
「幽霊の小西さんは夢から脱出した時、夢枕に立ったときのこの部屋に戻されてきた。俺がまったくちがう場所で小西さんと同じ夢をみて一緒に脱出したら、俺の意識も小西さんと一緒にこのホテルに引っ張られて、俺の体は脱け殻になって目を覚まさないかもしれない。幽体離脱っていうんだっけ、そういうの」
徐麗花が聞き慣れない日本語の「幽体離脱」をスマートフォンでネット検索してみた。
「えっと、意識や霊魂が肉体から離れているとされる状態をいう、って書いてあるけど、幽霊になっちゃうってことなのかしら」
「生き霊なんて言葉もあるから、幽霊じゃないとは思うけど、眠ったままになったら食事もできないから衰弱して死んでしまうかもな」
「それはやめて下さい。隆史さんの体が死んだら幽霊にならないで消えちゃうかもしれないです」
「そうだよな、死んだ人がみんな幽霊になれるわけじゃなさそうだし」
隆史の出した夢の世界を経由して幽霊を移動させる提案は幽霊の小西真由美に却下された。
隆史に会うまでは、幽霊の小西真由美は時間をもて余して退屈すぎることが悩みだった。
殺されたのは無念ではあるが、風俗嬢をして働いて生活していく苦労からは解放された。レイプして殺した犯人には、死ぬよりつらい目に合わせてやりたいとは思っているが、具体的にどんな目に合わせてやるかは思いつかないし、犯人を見つけ出すことも移動制限もありなので、小西真由美にはできない。
「私は名探偵ですから、犯人をもう見つけたかもしれません。同調ってすごいですね。犯人の容姿は私も把握できていますし、隆史さんは小西真由美さんを殺害した犯人と会ったことがありますよ」
「恵美、そうだよな、あいつが犯人だな」
隆史と恵美がうなずきあった。
「風俗嬢の首を締めながら犯して殺した、この嫌な男は誰なの?」
徐麗花にも小西真由美の記憶は共有されている。
この三人でなければ凄惨な殺人の現場、それも被害者目線の記憶を共有したら、パニックになっているところである。しかし、この三人は普通の人たちよりも強靭なメンタルの持ち主たちなのだった。
「北川天。やっぱり埋めて正解だったな」
隆史が小西真由美を殺害した犯人の名前をつぶやくように口にした。
小西真由美を殺害したレイプ犯は、のちに信者を洗脳して性奴隷にする鬼畜になっていた。
北川天は隆史の逆鱗にふれて、現在は徐麗花の組織で隆史の別荘に生活雑貨や食料を運んでいる元ヤクザのみなさんに絶対に見つからない樹海の土の中に生き埋めにされ、失踪者となっている。
「もう小西さんをいじめた奴はいないよ」
隆史が小西真由美の幽霊に笑顔で言った。
(この人たち、なんなの?)
幽霊の小西真由美は困惑している。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す