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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 324

隆史は幽霊の小西真由美に「誰かに憑りついてみたことはない?」と質問した。
「夢枕に立って夢の中に入ったり、体にさわってみたらそのさわった人の感じてることや体の感覚がわかったりすることはありましたけど、体を操ってみたことなんてありません」
「同調はしたけど、自我の同化まではしたことがないってことだな、たぶん」
「話を聞いていて思ったんですけど、憑依ってこわくないですか。操ることができるかもしれないですけど、逆に意識が乗っ取られて自分がわからなくなっちゃうかもしれないなんて」
「幽霊からしたらそうかもな。俺に憑依させて小西さんをラブホテルから脱出させるのも考えたんだけど」
本条恵美がそれを聞いて眉をしかめた。
「また危険なことを考えてたんですね」
「でも、幽霊の小西さんが憑りつくのがこわいって言うんだから、このアイデアは却下だな」
(幽霊がいるってお祓いしようとしたり、こわがった人たちはいたけど、危険があるのに自分に憑りつかせてみようって人はいなかった。この人、どれだけ優しいの?)
小西真由美はつい隆史の顔をじっと見つめていた。
「脱出したい理由は、ずっと雨の夜に決まった範囲しか動き回れないのが憂鬱ってことなんだよね」
隆史は小西真由美の幽霊に話しかけた。
「そうです」
「気晴らしならなんとなく、もうできるかも。前は眠ってみようとするとこわい夢だったけど、今はもう現実ではありえないぐらいきれいな世界の夢がみられるはず。それに、麗花は世界中をかなり旅をした記憶があるから、普通の人よりも広範囲の世界を疑似体験できるんじゃないかな?」
(もう、隆史くん、わかってないなぁ。幽霊の小西さんはここを脱出して、大好きな隆史くんについて行きたいっていう相談話なんだけど)
徐麗花はそこにはふれずに話を聞いていた。
「市松人形とか絵画とか、場所じゃなく物に憑いている幽霊とかの怪談話もありますね」
「あー、生前に大切にしていた品物とかに幽霊が憑いているってやつだな」
本条恵美は徐麗花と同じように、隆史とちがい相談の内容をちゃんと理解しているようだ。
「アラジンと魔法のランプ。指輪やランプに精霊がついていて、こすられると出てくるみたいな?」
徐麗花は隆史にちょっぴり嫌みを言ってみた。
(隆史くん、幽霊の小西さんが憑いた品物を持ち歩いて、自分の好きなときに呼び出して御奉仕させるつもり?)
「んー、精霊も幽霊も同じなのかな。小西さん生前にすごく大切にしてた物ってある?」
「生前に大切にしていた物ですか……そう言われると死んでもすごく執着してる物って何もないですね」
「俺はこの腕時計がお気に入りでいつもつけてるから、幽霊になったらこれに憑くかも」
隆史はそう言って、小西真由美に気に入っていた物とか、何かないのかと聞いていた。
すると「ここを見てて下さいね」と小西真由美は左耳の耳たぶを指さした。
そこにすうっと小さなピアスが現れた。
「これ、気に入っていたピアスなんですけど、つけていた感じを思い浮かべると、こんな感じですぐに出てくるので」
「なるほど、品物に執着しないわけだ」

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