PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 314
 316
の最後へ

媚薬の罠 316

「中国の聊斎志異という本には、幽霊の奥さんをもらった男の人の話があります」
徐麗花が微笑して言った。
「それにしても、なかなか清掃中のままだなぁ、あっ、表示が消えた!」
隆史がフロントに問い合わせ、首をかしげてロビーの内線電話の受話器を置いた。
「おかしなことを言われた。あの部屋は改装中で使われてないって」
「隆史さん、ひどいこと言ったから幽霊にふられたんじゃないですか?」と八神渉が言った。
「逆だったらどうしようかしら」
徐麗花は隆史と同室に泊まると言った。
「じゃあ、恵美と麗花と俺で泊まることにしよう。二人がいれば、怒った幽霊も出ずらいかもしれない。それでも出てきたら、言い過ぎたからごめんってあやまることにしよう」
隆史は幽霊にあやまるつもりだったらしいことがわかって、麗花と恵美はくすくすと笑った。
運転手の吉田英司が実はこの中で一番こわがっていて、妻の吉田聡美にベッドで抱きついて眠った。
小西真由美の幽霊は隆史の再訪に胸をときめかせながら、ラブホテルのロビーにある待ち合い席で雑談しているそばで立って話を聞いていた。
いわゆる霊能者がこの場にいれば小西真由美の幽霊の気配を察知したり、霊視能力で姿を見ることができただろう。
隆史に指摘されたことで、考えかたに変化が起きたせいか、殺害された現場からある程度までなら離れることができるようになっていた。
タクシーで、もともと務めていた風俗店の事務所があったビルの部屋に行ってみたことがある。
事務所のあったビルの部屋は誰も使われていない空き部屋になっていた。
虚しくなってラブホテルの部屋に戻った。
客がセックスしている時、意識が鋭くなる女性がいて部屋に残された首を絞められながら犯されているときの首の痛みを追体験したり、西真由美の幻を見る男性などもいて、小西真由美が望まなくても騒いで逃げて行く人がいた。
ラブホテルの経営者はお坊さんを呼んで祈祷してくれたが、お年寄りのお坊さんは「この部屋は客室として使わないほうが良いでしょうな」と言って帰ってしまった。
不倫している男性と、相手が結婚していると知らない女性が部屋に来てセックスしていた時は、女性をだましている男性が憎たらしくて、女性の夢枕に立って本当のことを教えてやった。
眠っている人のそばで夢の中に現れることができることを、幽霊になってみて小西真由美は知った。
客の誰もいない夜、ベッドに横たわり目を閉じていると、意識が酸素が欠乏して遠くなり、客の男に首を絞めて犯されていて膣内射精された感覚と肉体から意識が離れてベッドの上で死にかけている自分の姿を天井あたりから見下ろしていたのがよみがえってきて、小西真由美の幽霊は悲鳴を上げて身を起こした。
眠れないのに、死んでいるから死なない。
そんな夜に、隆史に頭を撫でられたことや、同情されたいだけなんじゃないかと言われたことを、さみしくなって思い出していた。
自分を殺害した犯人がまたこの部屋を利用しないかと待っていて、隆史と出会ってから、犯人が再び現れないか待つことを小西真由美の幽霊はむなしくなって止めてしまった。
実際に犯人の男が現れたとして、何ができるかわからない。
犯人の男を殺すことができたとして、そのあと幽霊のまま残っていたら、どうしたらいいか。
小西真由美の幽霊は誰にも相談できずに一人ぼっちで悩んでいた。
部屋に人が来ないと思っていたら、客室として使われていないことがわかり、暇つぶしに客室の予約パネルの機械にいたずらをして、自分のいる部屋を利用中や清掃中にしたりしていた。
空き室にしてしまうと客が来て、鍵か開かないとフロント係にロビーの内線電話からクレームを入れたりした。部屋のブレーカー落とされていて、ドアのロックがかかったままなのだ。カードキーではなく停電になっても、普通の金属製のスペアキーで客室のドアは開く。
小西真由美は幽霊なので通り抜けることができるので、ドアの施錠がかかっていても、関係ないのだが。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す