PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 309
 311
の最後へ

媚薬の罠 311

本条恵美は元公安の潜入捜査官で、護衛役には最適だと小峰勝もわかる。また湯治場には燕杏もいる。
心配はないと小峰勝は判断した。
湯治場にどのくらい滞在して、また〈慶龍飯店〉に麗花が帰ってくるのかも麗花の都合しだいなので、小峰勝は聞かなかった。
(世界中を移動して活動している麗花様にも、やはり休暇は必要なんだろう)
「麗花様、旅行の支度で必要なものがあれば、月岡愛莉に申し付け下さい」
小峰勝が麗花にそう言った時に、八神渉と同棲中の恋人である吉川雅美が笑顔でやって来た。
隆史が八神渉にお咎めなしの件や温泉宿の住み込みの仕事の話を、VIPルームから麗花の目の前で八神渉の携帯電話に連絡を入れてある。
「もう今日は緊張してないね」
隆史が八神渉に話しかける。
「これからその秘湯に俺たちも連れて行ってくれるんですよね」
「うん。恵美が来たら出発しよう」
「隆史さんがせっかくヤバそうな連中から逃がしてすげえ料金の高いホテルにかくまってくれたと思ったら、徐麗花にさし出されちゃったと思って、心臓飛び出るかと思ったっす、って八神くん、言ってたよね」
「えーっ、麗花さん、電話聞いてたんですか?」
「ええ、隆史くんが通話の音声をスピーカーにしてたから。笑いをこらえるの、大変だったわ。ねぇ、隆史くんの樹海の館に荷物運びの仕事をしないって八神くんをスカウトしたのに、隆史くんが仕事紹介してくれるって八神くんったら、私からの話を断ったんだよ」
隆史に麗花が言って八神渉を流し目で見た。
「うん、でも麗花、湯治場の仕事はふたりでやれるし、樹海で迷子になったりもしないから、別荘の荷物運びよりも、ずっとらくちんだと思うぞ」
「そうね、ふたりで一緒に働けるのって楽しそう」
麗花がそういって笑ったので、八神渉が安心してふぅと息を大きく吐いた。
(ああ、八神渉、檜垣様と麗花様にからかわれてるな。まあ、がんばれよ)
小峰勝が会話を聞いていて苦笑していた。
「あの、私たちで大丈夫なんですか、隆史さん」
「むこうに着いたら、谷崎家の三人が慣れるまでいろいろ教えてくれるはずだから心配ないよ」
「はい。ありがとうございます」
吉川雅美が隆史に頭を下げた。
「そんなに頭を下げなくてもいいよ。むしろ、俺のほうが頭を下げなくちゃいけない話だから。悪いけど、よろしくお願いします」
隆史が吉川雅美にぺこりと頭を下げた。
小峰勝と様子を見に来た月岡愛莉が、隆史の態度を見て驚いた表情で顔を見合せた。
「隆史くんを普通の金持ち連中と同じように考えていると、そんな顔になるわよね」
徐麗花が小峰勝と月岡愛莉に、微笑を浮かべながら言った。
「え、なんか変なことを俺したか?」
「大丈夫、隆史くんは、変なことをしてないよ」
徐麗花が隆史にそう言った。
そんな会話をしていると、本条恵美が約束の時間より少し前に〈慶龍飯店〉に来た。
昨夜の自分以外の全員がすでにそろっており、本条恵美は待ち合わせの時間を間違えてはいないはずと首をかしげた。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す