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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 310

本妻の産んだ息子は若旦那として育てられたが、甘やかされて育ち、さらに徐家の後継者になることが当然だと思い、酒と女に散財しているうちに体を壊して、あっけなく死んでしまった。
本妻は息子を失い、また息子が後継者になると疑いもせずに過ごしてきたので、息子の死を受け入れられず、気がふれてしまった。
そんな状況の中で麗花の母親、柳珠蘭(リーゥシュラン)からの手紙が大旦那に届いた。
その手紙を大旦那に直接会って手渡したのが、張忠だった。
張忠は屋台で粥や油条を売っており、柳珠蘭と麗花は母娘でよく粥を食べに行っていた。
柳珠蘭が病で仕事ができなくなると、張忠は麗花のために粥を持って見舞いに来た。
その時、手紙をあずかり徐家の前で待ち、三ヶ月後に旅から戻った大旦那に手紙を渡すことができた。
麗花は徐家の令嬢になったが、ストレスから体が食事を受けつけなくなってしまった。しかし、張忠の玉子粥だけは吐かずに食べられた。
張忠は麗花の料理人として徐家の店を任されるようになり、現在は若い料理人たちの育成を行っており、日本の〈慶龍飯店〉に来て料理を教えている。
屋台で粥を売るようになる前は、張忠は有名な店で料理人として若い頃から修行し働いていたが、店の商売のやりかたに嫌気がさして、有名店を辞めて露店商になった人物だった。
「さっき食べた玉子粥は、麗花の子供の頃の思い出の味なんだな」
「昔と同じ味で張さんは作ってくれる。母も私も、玉子粥に油条をちぎって入れて食べるのが大好きだったの」
麗花はそう言って、しばらく黙りこんだ。子供の頃のことを思い出しているようだった。
(麗花様は生まれた時から、裕福な家庭で育ったわけじゃなかったのね)
そんなことを考えていた月岡愛莉に、徐麗花は話しかけた。
「私を育てるために母は体を売っていたわ。そしてエイズで亡くなった。観光客相手に一人で商売をしていてね。風俗店で働いていれば病気になりにくかったはずだし、病気が悪化する前に気づいて死なずに済んだかもしれない」
麗花から燕杏の代理でデリバリーヘルス店〈桃花〉を任されている月岡愛莉にも、玉子粥の話を聞かせたのは、働く風俗嬢たちの健康管理をしっかり行ってほしいということを伝えたかったようだ。
「隆史くん、徐家の組織を継ぐのは別に血縁である必要はないと私は思っているわ。もしも、いい人がいたら紹介してね」
「いるかなぁ、麗花ぐらいがんばり屋じゃないといけないんだろう?」
そう言って隆史が麗花に笑いかける。
「ふふっ、決めるのは隆史くんじゃないから、心配しないでいいわ。あ、でも、隆史くんには私の仕事はちょっと無理かもね」
「たしかに、毎日、よく寝て、よく食べて……いや、なまけてるわけじゃないぞ」
そんな話をしているうちに小峰勝が月岡愛莉と交代で〈慶龍飯店〉にやって来た。
徐麗花が檜垣家の湯治場に、このあと旅行に出かけると小峰勝に説明した。
「護衛で同行する必要はない。このあと来る予定になっている本条恵美さんに、私たちな護衛を依頼するつもりだから」
「麗花様、燕杏に会ったら、結婚おめでとうと伝えて下さい」
「小峰勝、わかった。燕杏に伝えておきます」
「ありがとうございます。檜垣様、麗花様のことをよろしくお願いします」

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