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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 283

それぞれの思惑と困惑が渦巻くなか、檜垣隆史はVIPルームに入ると「ねぇ、隆史くんも食べる?」とさくらんぼを徐麗花にすすめられて、つまんで食べた。
「日本のチェリーもおいしいわね。茘枝(ライチ)ほどではないけれど」
徐麗花の隣にぽすんと腰を下ろして隆史がさくらんぼのへたを、口の中で舌先で結んでみせた。
「あははっ、おもしろいことしてる。隆史くん、器用だね」
「これができるとキスが上手なんだってさ」
「ふーん、私にもできるかしら」
麗花も隆史のまねをして、もごもごやってみるがうまくいかない。ほどけてしまう。
「練習すればできるようになるよ。キスがうまくなるかは、わからないけど」
隆史がそう言って、にこにこと笑う。
「日本に来たら、燕杏と隆史くんにすぐ会えると思ったんだけど、燕杏はいないのね」
「じゃあ、麗花が忙しくなければ、俺の温泉に一緒に行こうよ」
「俺の温泉って、どういうこと?」
檜垣家の湯治場がある村だったが、今は燕杏をふくめて四人しか暮らしていない。
檜垣家が何代もずっと維持、管理を谷崎家に任せており、廃村の古民家を活用した温泉宿になっていることを説明した。
八神渉と吉川雅美の二人を住み込みで働いてもらえないかと誘うつもりで、一度連れて行ってみるつもりなのだと隆史は話した。
「なるほど、隆史くんだけの温泉なのね。日本に来たついでに観光するつもりだったから、ちょうどいいかも。あと、燕杏を好きになってくれた看板娘にも会いたいから」
「ボディーガードは、探偵の本条恵美でいいか?」
「そうね、小峰勝はお仕事があるから、頼んでもいいかしら?」
「明日、恵美がまた来るから聞いておくよ」
「隆史くん、本条恵美のことを、恵美って名前で呼ぶのね。彼女も隆史くんの愛人?」
「そうだよ。燕杏と恵美が一度やりあったのを見たけど、二人とも喧嘩が強いな」
「隆史くんじゃ、二人に勝てない?」
「殴りあいじゃ、絶対に勝てる気しない。さくらんぼのへた結び勝負なら勝てるかも」
「早く結んだら勝ちかしら、それとも、きれいに結んだら勝ち?」
「三本早くきれいに結んだほうが勝ち。まずは一本をきれいに決めてきましたね、とかさ」
「審判が旗を上げたりするの?」
「そうそう、そんな感じ」
二人でたわいのない話をして、じゃれあうように笑うのは楽しいと徐麗花は思う。
麗花を徐一族の御令嬢で、組織の後継者として接する相手とではこうはいかない。
徐麗花は隆史と話していて気持ちがいいと思えるところはいくつもあるが、嘘をつかないところは好感が持てる。嘘をついたとしても、すぐわかるところも愛嬌がある。
燕杏から、本条恵美は隆史のボディーガードで愛人だと報告を聞いているので、徐麗花は知っている。
自分が不利にならないように嘘をついたり、ごまかしたりする人間は山ほどいる。隆史のように、自分のための嘘をつかない人間は少ない。
他人をかばったりするときには隆史も嘘をつくが、嘘をつくのに慣れていないので、かなりぎこちない感じなのである。すぐにばれる。

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