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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 282

燕杏が自分の考えで徐麗花の命令に従わずに任務を放棄し、檜垣隆史のそばから離れて、組織とは関係のない新婚生活を満喫する、というなら徐麗花は燕杏を掟破りとして、始末しなければならない。
檜垣隆史は、燕杏に命令して湯治場に暮らさせているということを徐麗花に説明していた。
檜垣隆史も、燕杏を徐麗花の手で始末させたくはないということがわかる。
そこは、徐麗花と檜垣隆史の考えは一致している。
徐麗花は燕杏を自分の参謀、片腕、親友として絶対に失いたくない。
燕杏が徐麗花の愛人であれば、檜垣隆史に専属メイドとしてあずけたりはしなかったのではないか。
また檜垣隆史が燕杏を愛人として寵愛していたとすれば、婚約させて自分から離して暮らさせたりはしないのではないか。
燕杏が本気で檜垣隆史の愛人になるつもりならば、女性よりも巧みに檜垣隆史を誘惑できるだろう。檜垣隆史について徐麗花から燕杏が情報収集を命じられていたら、愛人として寵愛されているほうが都合がいい。
燕杏がそうしなかったのは、檜垣隆史が愛人の本条恵美も旅に同行させていたせいだろうか。
徐麗花の組織がハニートラップを仕掛けることは基本的にはありえない。その理由は単純明快で、費用対効果が悪すぎるからだ。
その場で相手を痛めつけて、必要な情報を聞き出すほうが早い。金で買える情報なら、なおさらである。
しかし、徐麗花は檜垣隆史に対して、燕杏を派遣してハニートラップを仕掛けた。
上海マフィアの娼館で燕杏は女装の男娼として強制労働させられた経験があることを、小峰勝は燕杏本人から聞いて知っている。失敗はありえない。
それに対して、燕杏はあえて任務の失敗を選び、それをなぜか、檜垣隆史がフォローするという異例の状況が起きている。
燕杏は檜垣隆史の手下として寝返ったのか、または洗脳でもされたのか。
ハニートラップではなく、参謀の燕杏を貢ぎ物として、徐麗花が檜垣隆史への恭順の意を示すためにさし出したのだとしても、寵愛されず遠ざけられたのでは愛人としては失敗だろう。
燕杏が檜垣隆史の命令だったとしても取った行動も不可解で、それを聞いた徐麗花の反応を見て、まったく動揺が見られなかったので、何がどうなっているのか小峰勝にはわからなくなってしまった。
湯治場にいる燕杏は、組織の参謀として、徐麗花が檜垣隆史と結婚して本妻となり、檜垣隆史を徐麗花の組織の首魁にするつもりなのだと考えた。
燕杏は徐麗花がいずれ檜垣家の本妻として日本を拠点として活動するために、いずれ結成する徐麗花の派閥の中核とするために燕杏を送りこんだのではないか。
そうだとすれば、檜垣家の愛人たちの中で檜垣家にとって特別な役目を任されている谷崎家の婿になるのは無駄ではない。
(徐麗花様が隆史様を組織の首魁にできれば、アジアの犯罪シンジゲートを統一する大組織を徐麗花様の一代で築き上げることができる。だが、徐麗花様を花嫁とする条件として、徐一族が百年以上かけて築き上げてきた組織が、徐麗花様の決断ひとつで解体されてしまうかもしれない。そうなれば大混乱が起きる。それだけは避けたい)
燕杏は組織の存続を願い、小峰勝は檜垣隆史と徐麗花の同盟関係を期待している。
燕杏と小峰勝の間には危機感のずれがある。
燕杏がもしこの場にいたら、檜垣隆史と徐麗花をVIPルームで一夜を共にさせることは避けたにちがいない。
本条恵美は隆史はまだ結婚せずに、愛人として徐麗花を手なずけると考えて、探偵事務所に戻った。
隆史から燕杏は檜垣家の本妻になるためには、すべてを捨て命ひとつで嫁ぐならわしだと聞かされて、徐麗花が隆史とより親密な関係となれば、隆史が徐一族の組織や財力に興味がない以上、徐麗花が隆史に娶られる可能性が高くなるのがわかっているので隆史に、本妻になる条件の話は徐麗花にしないように強く警告しておいた。

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