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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 278

本条恵美はまた少し苛立ちを感じた。
隆史に責任を取って花嫁にしてほしいとアピールしているように感じる。
「燕杏がどんな娘と婚約したか気にならないか?」
隆史がちらっと小峰勝を見て言った。
小峰勝と月岡愛莉はそこを知りたいとうなずく。
隆史は初音のデジタルカメラで、燕杏と初音を洋館の前に立たせて撮影した画像のコピーと、初音が階段で撮影した燕杏の画像のコピーをスマートフォンに落としてきたので、小峰勝と月岡愛莉を手まねきしてそばに呼び「同じカメラで撮影したのに、こんなにちがうんだ。まいっちゃったよ」とスマートフォンの画面を見せようとした。
小峰勝は月岡愛莉がのぞきこむ前に肩に手をおき止めた。小峰勝も隆史から一歩離れて苦笑していた。
「麗花様にお見せになられてから、私たちもあとで拝見させていただきます」と小峰勝は軽く隆史に頭を下げた。
この場で一番緊張しているというか警戒しているのは八神渉だった。その隣にいる吉川雅美は八神渉が手汗をかいて、ひどく緊張しているのでとても心配している。
「ところで、麗花にここに来いって言ってきてくれないか。そうじゃないとこれは見せない」
隆史がそう言ったので、本条恵美が隆史の横顔をじっと見つめた。
「いつから気づいてたんですか?」
小峰勝が言うと、隆史が八神渉を指さして「あんなに緊張するタイプじゃないし、度胸もある。そんな彼があんなになってるってことは、日本に来ていてかなり近くにいるんだろ?」
樹海の隆史の別荘に侵入して、激怒する氷川奏の前で、偽名を名乗る肝っ玉の持ち主が八神渉である。その八神渉がひどく緊張している。
「あまり緊張させないように画面越しにしたのに、あまり意味がなかったみたいね。小峰勝、隆史くんだけを四階へお連れして」
通信が切られ五分後、〈慶龍飯店〉と闇カジノの間の四階はプレイルームとVIPルームがあり、VIPルームのソファーに徐麗花は腰を下ろして、さくらんぼを食べながら隆史を待っていた。
「隆史さん、この扉の向こうに麗花様がいらっしゃいます。では、幸運を」と隆史を扉の前に置いて小峰勝は〈慶龍飯店〉に戻ってきた。
移動する列車の中から隆史が八神渉に電話を入れて〈慶龍飯店〉に来るように伝えたあと、八神渉は徐麗花の配下の小峰勝に隆史から連絡があったことや、隆史たちと〈慶龍飯店〉で待ち合わせたと伝えるために電話をかけた。
「ちょうど良かった、私も日本について空港から店に向かってるから」
徐麗花は運転席の小峰勝からスマートフォンを受け取り、後部座席で八神渉と話した。
(ボスの徐麗花がなんで日本に来たんだろう?)
八神渉は連絡を入れたあと考えたが、嫌な想像しか思い浮かばず、うんざりした。
隆史と本条恵美には同棲中の彼女が犯罪グループに拉致されかけたのを阻止してもらい、世話になったので、約束通りに行かないと行けないが、裏社会の大物である徐麗花と幹部の燕杏には、こわい噂を聞いたことがあるので、あまりお近づきにはなりたくない。
だから、同棲中の彼女である吉川雅美を連れて〈慶龍飯店〉に来たが、もし隆史が来なかったら、話がちがうじゃない、と二人ともアキレス腱を切られたり、生爪を剥がさたりしないか心配だった。
隆史と徐麗花が画面越しに話しているのも聞いていて、どうやら隆史が組織の大幹部の燕杏をどうにかしてしまったらしく、組織に戻せないという内容だったので、さらに緊張が高まった。

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