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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 275

隆史が何を望んでいるかをはっきり命令されたら相手は責任を考えないでも済むが、隆史は相手の判断にまかせてしまう。
主人と下僕という関係で下僕に安心感をあたえない主人でありながら、下僕が望む結果が、命を失うことや、心が壊れること以外であれば、隆史は願いを聞き、協力しようとしてくれる。
こうなると、どちらが主人か、わかったものではない。
「今、徐麗花の組織が消失すると、日本で困るのは公安と警察です。海外からの麻薬密売組織やテロリストのグループが牽制されて目立つ活動を行わないのは、徐麗花の組織と敵対するのを避けているからです。日本には海外の勢力に対抗できるマフィアは存在していません。弱体化した暴力団と小さな犯罪グループが泡みたいにできては消えていくという状況にあり、日本の公安や警察では、海外からの勢力がなだれこんできたら対処しきれません。もしも、隆史さんが徐麗花と結婚することで、徐麗花の組織が崩壊するのであれば、日本の平和のために結婚させるわけにはいきません」
本条恵美は隆史に、あまりに情けないので話したくなかった日本の実情をふまえて、結婚に対する意見を言った。
「隆史様が徐家の麗花様が維持している組織や家や資産を放棄させて娶ることで、裏社会の勢力図は分裂を起こして混乱がしばらく続くでしょう。日本だけの話ではありません。アジア圏の勢力が混乱すれば、その利権を奪うためにテロリストたちが動き支配を始めるでしょう」
燕杏が本条恵美に説明した。
あまりに身近ではない大規模な話を二人が始めたので、初音と麗はきょとんとしている。
谷崎綾子は、隆史に惚れた女性がそれほどの影響力がある人物とは思っていなかった。中国の裕福な家の女性ぐらいの認識でしかなかった。
(ああ、なんということでしょう、隆史様、なぜ、そんなめんどうな女性にまで手を出されたのですか?!)
綾子に隆史はじーっと見つめられている。
「麗花がどーしても俺と結婚したいって言っても、俺が檜垣家の当主をやめたって言えないみたいに、全部捨てて嫁いでくるとは思えないんだが」
「いえ、隆史様、徐麗花様はやるときはやる女性ですから、絶対にその条件を言ってはいけません。裏社会に混乱が起きます」
燕杏は隆史に断言した。
「もしかして、私たち、結婚しないほうがよかったのかしら」
ぽつりと初音が言った。隆史がそれを聞いてこう言った。
「燕杏には初音が必要だ。俺には燕杏の心の傷は癒せない。燕杏もかなり苦労してきてるけど麗花は徐家の女当主だから、生まれてからずっと大組織のボスになるために教育されてきたはずだ」
「だからですよ、隆史様に娶ってもらえるついでに裏社会のしがらみも捨てて生きられるとわかったら、世界がどうなろうとなるようにしかならないわ、と言い出しかねません。あなた方ふたりは妙なところで気が合うところがありますから。それに、隆史様が徐麗花様を娶ったら衣食住に苦労をさせるとは思いません。本当に何も持たずに嫁いで来るかもしれません」
「どうだろうな、コンビニでアルバイトさせるかもしれない」
「やったことがありませんから、嫌がることなく楽しそうに面接に行って、すぐにアルバイトのリーダーになるでしょうね」
隆史も燕杏にそう言われてみると、そんな気がしてきて、眉をしかめた。

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