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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 271

「ここまでが俺の提案だけど、みんな、とりあえずこれでいいかな?」
全員がうなずくかと思ったが、燕杏だけうなずいていなかった。
「ん、燕杏、どうした?」
「隆史様、徐麗花様をどのように納得させるおつもりですか?」
燕杏は上海マフィアから抜けるときに徐麗花に金を払ってもらい、麗花の組織にスカウトしてもらったという恩義がある。
初音とこの湯治場で暮らせるのはうれしいが、麗花の組織にいずれは戻らなければならない。
かつて上海マフィアに徐麗花が支払った大金と同額を隆史が支払っても、隆史に徐麗花が燕杏を譲るとは言わないと思われる。
今はただ、隆史にレンタルされている状況なのである。
期限つきではないが、そこは隆史が燕杏が「偽娘」と気づいて組織に返されるというのを前提に期限が決められなかったのであって、今はお試し期間で、隆史が燕杏を気に入ったと連絡すれば、徐麗花と譲る、譲らないの交渉が開始されることになる。
燕杏は、隆史の情報をさぐり徐麗花に報告するスパイのような役目でもある。
隆史のそばにおらず情報収集ができないとなれば、埋伏の計で潜入した燕杏を引き上げさせるか、まだ使えると判断して隆史のところに残すかを徐麗花は判断する。
戻れと命令があれば、隆史のところから消息を絶ち異国で組織の幹部として任務につくか、徐麗花のボディーガードに戻される可能性も考えられる。
そうなれば、谷崎初音との婚約は形だけのものとなってしまう。
本条恵美も公安の潜入捜査官だったので、役目を終えるか、中止となれば、所属している組織から抜けない限り命令が絶対で、個人的に逆らえば抹殺されかねない事情はわかる。
しかし、檜垣隆史と徐麗花の握っている権力は知っている限りでもどちらも強く、本条恵美には判断しきれない。
隆史の権力のほうが強ければ、徐麗花は妥協して自分の有利になる条件で手を打つだろう。
しかし、権力が拮抗しており敵対すると徐麗花が考えたなら、燕杏が隆史のそばにいる意味とは?
最悪のシナリオーー檜垣隆史の暗殺。
谷崎家の3人には、常識の範疇を越えているので、そこには考えが回らない。
燕杏はそれをふまえた上で、隆史に徐麗花をどうやって納得させるつもりなのかと質問している。
たとえどんな辱しめを受けたとしても、いずれは自分の手で抹殺すると思えば、従順なふりを続けて耐えられる。
徐麗花が燕杏に命じたのは、本当は隆史の暗殺ではないのか?
隆史の存在をじゃまだと思う権力者もいるはずだ。檜垣隆史という存在を消去するための刺客。
徐麗花が隆史に友好的だとしたらどうか?
別荘に侵入した不審者の件を徐麗花は知って、隆史の護衛として最も信頼できる人物を派遣した、とも考えられる。
刺客か。
ボディガードか。

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