隆史の声を聞いて恵美がさらに頭を揺らし、喉奥を先端があたるギリギリまでふくませる。
隆史の背筋にぞくぞくと快感が走る。
（ぬるぬるの先走りが出てる……あぁ、隆史さんのこのまま口に出させてあげたい)
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅるっ、ぬちゅっ……唾液をふくんだ恵美の口元からフェラチオ特有の湿った卑猥な音がこぼれる。
隆史が遠慮して腰が引けそうになるが、恵美は唇をキュッとすぼめて離さず、隆史からすれば締めつけられるように前後にこすれて気持ちいい。
もともと本条恵美には媚薬は多めに使用しなければ効果が弱めだった。薬物に耐性のある体質ではあるが、隆史の精液は媚薬よりも強い。
「んっ、らひて、いっはいらひて、んむ、ん……」
恵美がおねだりするように咥えたまま気持ちを告げて、隆史のモノを口内で舐めまわし、内頬や唇が頭を揺らすたびにこすれて快感をあふれさせようとしてくる。
「くっ、もう出そうだ……恵美、精液を飲んだら酔っぱらうから、もうフェラチオを止め……うわっ！」
「じゅっ、じゅるん、ちゅぱ……らめ、だひて……じゅむっ……んふぅ……んんっ」
卑猥な音に、恵美が咥えたまま話す言葉や息づかいがまざりあっている。
恵美の舌の上で隆史のモノがびくっびくんと脈打ち震え、たっぷりとした量の射精が始まった。
隆史の一回の射精量は一般成人男性とくらべると、かなり多めである。本条恵美は未亡人なので、亡くなった夫の射精量と隆史の射精量のちがいはよくわかる。
「ん……んくっ……こくこく……ん、ふ……」
隆史の精液を恵美は小さく喉を鳴らして飲んだ。
「さっき中出しをしたばっかりなのに、また飲んだら、体が落ち着かないじゃないか、恵美、むちゃをするなよ」
「隆史さん、だいじょうぶれす、気持ちよかったれすかぁ？」
とろんとした潤んだ目で、恵美が隆史の顔を見つめ微笑を浮かべている。
ろれつが回ってないけれど。
今回の旅で、隆史が相手を気づかって、体に負担をかけすぎないようにしていたのがわかったので、できるだけ隆史が我慢しないでやりたいことをさせてあげたいと、本条恵美は思っていた。
たしかに他の愛人たち、たとえば初音は隆史の精液を飲んだら、すぐに、くてっと脱力して、しばらくは全身が過敏になって身悶えまくるだろう。
谷崎綾子を犯しているそばにいただけで、ぼーっとなって、隆史に亀甲縛りにされて、素股で内股にかけられただけで、絶頂した。
それにくらべると谷崎麗や本条恵美は隆史ほどではないが多少は耐性があり、壊れにくい女性たちなのだが、あまりむちゃはさせたくないと隆史は思う。
隆史に腕を組んでもらって本条恵美はごきげんになって、露天風呂から隆史とゆっくり歩いて、初音と燕杏がいちゃいちゃしてたらじゃましたくないので谷崎麗のカフェでアイスコーヒーを飲みたいと隆史に言った。
「いらっしゃい。あら？」
本条恵美はカフェに入る前に隆史の腕を放して、本人は何事もなかったように装っているが、谷崎麗は女の直感が鋭いこともあって、妙に色っぽいのを、腰つきや雰囲気から感じ取った。
隆史のモノをフェラチオして麗は精液を飲んだことがあるので、そのあと体がふわふわして気分よくちょっと興奮が残り、のどが乾いたり、そわそわしたりしがちなのは、自分の体験からわかる。
「アイスコーヒー、ちょっと濃いのでいいですね」
注文をきいて谷崎麗が恵美に言った。
「あ、俺はコカ・コーラで」
じろっ、と隆史は麗ににらまれた。