PiPi's World 投稿小説

媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

の最初へ
 254
 256
の最後へ

媚薬の罠 256

「本条さん、ちょっとこっちに来て」
谷崎麗と本条恵美が話しているあいだ、初音は燕杏を古民家の庭へ連れ出した。
「隆史さんのことをどう思います?」
初音は燕杏に質問した。
「私はメイドで、檜垣隆史様は私の御主人様です」
「いえ、恋愛対象として、どう思うかという話です」
「私の好みは体つきのがっしりとした逞しい男性ですから見た目の話なら、隆史様は好みではありません」
「そうなんですね」
「ただ、会ってからずっと見ていますが、優しい人だとは思います。だから、隆史様になら抱かれてあげてもいいと思っています」
燕杏が初音にそう言った。
「初音さんは隆史様のことは恋愛対象としてはどう思っていますか?」
「隆史さんは私にとってフィアンセのような存在です。あと歳上のお兄様のような存在でもあります。隆史さんは子供の頃の私のイメージが強いようで、女として見てくれていないようなのが残念です」
「他の男性を好きになったことは?」
「ありません。ここにずっといて、隆史さんがいつ来てもいいように待ち続けていました」
燕杏は初音の顔をまじまじと見つめてしまった。
まだ若いのにもったいない、と思ってしまった。
「隆史様は本条恵美さんの他にも愛人がたくさんいるようですが、それでも愛し続けるのですか?」
「はい。そして、次の檜垣家の当主様を産むのは別の人かもしれません。その時は隆史様のお子様のためにここを残さなければいけません。そのときは燕杏さんの子種をもらって、谷崎家の跡継ぎを産んでもいいですか?」
「ふっ、私の子種ですか……私と同じような体つきの子供が産まれるかもしれませんよ」
「かまいません。それに谷崎家の一族は女系ですから、燕杏さんに似た美人な娘を産んでさしあげます」
初音は燕杏の、本当は女として生まれたかった、という思いを感じ取ってそう言った。
「私は自分のことがあまり好きではありません。私の子供は私の分身ではないし、別の人生を歩むひとりの人間だとわかってはいますが、自分のなにかを残す気がして子供を残そうとは思えないのです」
だから燕杏はセックスが好きではないが、どうしてもしなければならないなら男性との性行為を選ぶ、ということにつながっているのかもしれないと初音は思った。
「見た目の好みでいえば隆史さんより、燕杏さんが私の好みです」
初音はそう言って空を見上げた。
燕杏もつられて空を見上げていた。
雲が流れ、小鳥の鳴き声が聞こえる。燕杏はとても静かで澄んでいる時間の中にいるような気がした。
燕杏と谷崎初音がなにやら良い雰囲気で話しているあいだに、本条恵美は谷崎麗から燕杏についての話を聞き出していた。
犯罪組織で中国系のマフィアからも敵対したくない組織として徐麗花の組織があり、日本の暴力団のやり方が変わったことで、不満を抱いた幹部をスカウトしたり、移ってきた人間を仕切って雇っていたりもしていること。
警察や公安でも徐麗花の組織は日本の暴力団や犯罪グループを牽制しているので、基本的には協力関係にあること。
その徐麗花の側近である人物が燕杏で、今は組織から隆史専属のメイドとして派遣されていること。
湯治場の暮らしとはかけ離れた話に谷崎麗は何度か呆然となりながら、檜垣家の当主の隆史ならば、どんな話が出てきても不思議じゃないと思いなおして、さらに詳しく話を聞いた。

SNSでこの小説を紹介

レイプの他のリレー小説

こちらから小説を探す