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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 233

七つ送り。
初音や綾子は七歳で、檜垣家の妾となることが決められた。
その代わりに村の人たちは温泉の維持管理以外は働かずに暮らすことができた。
しかし、龍之介が初音と関係を持ち、檜垣家の当主が手をつける前に孕ませてしまったとわかると、村の住人は檜垣家との約定を破ったことをおそれて夜逃げした。
「馬鹿だよ、椿はずっと龍之介さんが好きだったのを村のみんなも知ってたくせに」
雅樹はそう言って村人たちが夜逃げしたあと、温泉が無事に残されているのを見つけて「温泉を埋めたりしてたら、許さないつもりだったけど、これがあれば檜垣家が保護することができる。村の人たち、村に戻ってきてくれないかなぁ」と雅樹が言うので龍之介があきれた。
「雅樹、恩知らずな連中が戻ってくるよりも、信頼できる椿と綾子が残ったほうがましだと思う」と龍之介は雅樹や椿に言った。
それを綾子は姉の椿のそばで聞いていた。
「私に料理を教えてくれたのは雅樹様でした。先ほど召し上がった味噌の焼きおむすびは、龍之介さんがお好きで雅樹様がよく作って、お二人で山奥へおでかけになっていました」
「うん、親父が集めた薬草や茸は今も薬の材料で保存してある。そうか、一人で集めたんじゃなく龍之介さんと楽しく集めてまわったから大量に集められたわけだ」
隆史は綾子にそう言った。
「椿さんや綾子のいないところで男二人でいちゃいちゃしてたんだろうな、きっと」
隆史はそう言って笑うと、また綾子にもっと昔の話を聞かせてくれとせがんだ。
隆史が樹海に別荘を持っていて暮らしているのは、薬の材料集めに最適な環境だからである。
雅樹は隆史のために薬の材料になりそうな素材を何年も龍之介さんと旅をして探しに行ったことがあるようだ。
「チベットまで二人で行ってきた、と言っていたこともありました」
初音のマッサージ技術は二人が旅で得た情報を活用して作られたらしい。世界各地のマッサージ技術の融合。
「麗の〈神眼〉は、どうやって身につけさせたの?」
隆史は綾子に質問した。
「それは私にもわかりかねます。龍之介さんと姉の椿が亡くなって、雅樹さんが少し遅れて泣くなりましたが、隆史のことを守ってやってくれとまだよちよち歩きの麗に雅樹さんが話しかけていたのはおぼえています」
「親父の認めた〈神眼〉使いの許嫁か」
隆史が麗をちらっと見た。麗が真顔で隆史にVサインをしてみせた。
隆史は麗には何も言わずに綾子に話しかけた。
「龍之介さんは谷崎家の人じゃなかったんだね」
「江戸時代からの肝煎りの家で神崎家があり、この家の持ち主でもありました。龍之介さんは神崎龍之介でしたが、谷崎家の養子として跡継ぎということになりました。谷崎家は婿や養子を取って跡継ぎにする風習があります」
「本当に女系の一族なんだね」
「ええ、なぜ女子ばかり産まれるのかは今も謎です」
「でも、男性しか跡継ぎにできない時代でもないし、家を継ぐっていう考えかたも俺の家以外はあまり気にされない時代だから、問題はないよな」
(今すぐ隆史さんが私のお婿さんになって、谷崎隆史になっちゃえばいいのに)
麗は10年前からずっと隆史と結婚するのを目標にしてきた。温泉は叔母の綾子や初音が継いで隆史に保護されて生活すればいい。麗は龍之介と雅樹が旅をしたりしていた話を聞いていて、隆史と旅をしてみたいと思った。
しかし、隆史と結婚するのは叔母の綾子や姉の初音でもいいし、今も愛人二人を連れて来ていて、どうやら結婚する気はないらしいことを、麗にアピールしているようにも思える。
三人の中で一番若い麗は、隆史ではない別の男性を婿にして結婚し、娘を産めば、その娘を谷崎家の後継者にすることができやすいという立場にある。
初音はずっと麗が隆史と結婚すると考えてきたのを理解してくれてはいる。ただし、初音が隆史に恋しているのを隠しきれてはいないけれど。
叔母の綾子が結婚しなかったのは、初音と麗を育て上げることが自分の役割だと考えているからだろうと考えていたか、隆史と話している様子から直感的に気づいた。
叔母の綾子さんも隆史の夜伽をしてから、ずっと結婚せずに、隆史が来る日を待ち続けてきたのだと。

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