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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 229

隆史は鏡を使い〈神眼〉の暗示破りを父親の死後に行ったところ、父親の遺言が再生された。
鏡の中の自分の姿が雅樹の姿にかわり、残した龍之介の手紙を持ち谷崎家に行ってほしいという幻の姿を見て、幻の声を聴いた。
先代当主の雅樹は、隆史が自分の〈神眼〉を破るために暗示解除の暗示を自分にかけてみる日が来たら、幻覚と幻聴で再生されるメッセージを残してみせたのだった。
それは隆史と谷崎家の人たち以外には知られたくない情報だったということだろう。
隆史の媚薬でもこれほど器用な暗示の使い方はできない。
それから2年後に隆史は雅樹の遺言にあった谷崎龍之介の手紙を谷崎綾子に手渡すために、湯治場を訪れた。
それが、今から10年前の話である。
檜垣家の後継者となり2年間で隆史は媚薬を完成させた。
それまでの媚薬は中毒性が強く、効果は弱かった。効果を持続させる使用量の適量の判断が難しく、檜垣家当主以外の夜伽をした女性たちは死亡していた。だから、先代当主の雅樹は媚薬を使わずに〈神眼〉を使っていた。
2年後、媚薬を完成させた隆史は猛毒で欲情の発作を抑制し、その猛毒で死なない体になるための荒療治の手伝いを谷崎家の綾子に頼んだ。
癒しの巫女と呼ばれる谷崎家の後継者の椿は二人の子供を産み、すでに死亡しており、また椿の娘である初音は15歳、麗は10歳で役目をはたすにはまだ幼すぎると隆史は判断した。
谷崎家の一族は、山の神に捧げられた巫女の末裔という伝承がある。七つ送りといって、数え歳で七つになる幼女を山の神に捧げる風習がある。
死装束を着て仮の葬儀を済ませると神の妻となるため、ひとりぼっちで、山奥へ村から送り出される。
これは檜垣家へと選ばれた女性が愛妾として嫁ぐことを、山の神に捧げるという話として隠したものである。七つ送りで山から帰った幼女は、護り巫女として、残りの一生を保護される。
隆史が湯治場で荒療治に挑んだとき、谷崎家に成人した女性は綾子しかいなかった。
檜垣家の当主の荒療治の相手を一人ですることは無理だと綾子は、15歳の初音にも夜伽を命じた。
癒しの巫女と呼ばれる谷崎家の本当の後継者は、ただひとりだけ。
それが5歳の麗であることを、先代当主の雅樹は見抜いていたので〈神眼〉の技を麗に授けて、同時に、隆史が欲情の発作を起こしたとしても金縛りにできるように、隆史にも暗示をほどこしておいた。
隆史が荒療治のために湯治場を訪れたとき、谷崎家の後継者だったはずの椿がすでに亡くなっていたので、綾子が後継者だと思っていた。
七つ送り、つまり数え歳で七歳にして檜垣家の愛妾としての役目をはたすことができる、優れた才能を持つ幼女という意味だとは隆史でも気づいていなかった。
檜垣の当主がおそれられてきたのは、檜垣の当主本人よりも檜垣の愛妾のうち、子を孕まずとも生きるのを許された愛妾たちが暗躍してきたからでもある。
檜垣家がどの時代でも表舞台の権力者として立つことがなかったのは、当主本人がどれだけ野望があったとしても、当主を支えてきた女性たちがそれを望まなかった結果といえる。
ねこを殺せは七代祟る、という俗説も、檜垣の愛妾を殺す立場に立てばその家系が滅びるまで始末されるということを隠して伝えたものでめあるが、愛妾たちは檜垣家が滅びるか自分の血統が滅びるまで仕えぬくともいえる。
恨まれて祟られるか、愛されて仕えぬかれるにせよ、檜垣の当主自身も愛妾たちが団結すれば滅ぼされかねないのをよくわかっていた。

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