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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 228

五歳の麗が雅樹の予想よりも記憶力があり、雅樹の写真を見たと言うので、たしかに雅樹の写真はあったのだろう。
谷崎家の巫女の一族に伝わる〈神眼〉と檜垣の先代当主が使った〈神眼〉のつながりは隆史が檜垣一族の古文書を読みあさっても、つかみきれないところがある。
雅樹はそれを探るために死の一年前にこの湯治場を訪れたのではないか。
また谷崎綾子の姉で、初音と麗の母親である谷崎椿と檜垣雅樹が関係を持ち、椿の残した娘を綾子に託したのではないか。
そうしたことは檜垣家の文献には残されてはいない。
それは檜垣家の秘技の一つである〈神眼〉の秘密に関係しているからだと隆史は考えている。
もうひとつ、隆史が先代当主の行動にひっかかることがあった。隆史はいちおう〈神眼〉破りの技をあみだしているし、使えているので、今さらルーツを探ることにあまり意味を感じていない。
父親の雅樹が保護することを隆史に引き継いだのは、単純に檜垣家の湯治場だという理由ではなかったようだと、隆史は父親の死後に残されていた手紙を見つけて気づいた。
雅樹は女性ではなく男性を本当は愛していた。
谷崎椿と谷崎綾子には谷崎家にはめずらしく兄がいた。
戸籍を調べると養子だったので谷崎家にどんなつながりがあってもらわれてきた人物かはわからないが、戸籍上は椿と綾子の兄にあたる。
先代当主の雅樹と、谷崎家の表向きの当主となっている龍之介には恋愛関係があったと思われる。
龍之介は雅樹に惚れてしまい、もう二人で家を捨てて逃げようとまで、雅樹へ龍之介は手紙に書いていた。
雅樹は檜垣家の当主として生き、龍之介は自殺している。
二人の間に何があったのかはわからない。
谷崎椿が兄の死に対して、恋人だった雅樹にどんな思いを抱いたのかは伝えるものは残っていない。
谷崎椿は兄の龍之介と同じ墓に埋葬されている。
初音と麗を産んだ椿の写真はないかと隆史が言うと、初音は産まれたばかりの麗を抱く椿の写真を見せてくれた。
谷崎龍之介の写真は仏壇に飾られていたものがあると、初音は古いアルバムを開いて隆史に見せた。
燕杏は、雅樹と龍之介の恋人たちのことを思い浮かべた。
「私たちの父親が誰なのかは、綾子さんにも秘密にしたまま癌で亡くなりました」
初音は赤ちゃんの麗を抱いている椿の笑った写真を見つめて言った。
「父親が誰か知りたいと思う?」
「小さい子供の頃は父親がいないのは気になりましたけど今はもうわからないままでもいいような気がします」
「麗はどうだ?」
「私は母親のこともよくおぼえてないし、綾子さんが母親がわりだから、父親のことは気にしてないよ」
「俺は二人の父親が、もしかすると俺の親父なんじゃないかって気もしているし、養子で谷崎家にもらわれてきた谷崎龍之介だったかもしれないって気もしてるんだ」
隆史は初音と麗に考えていることを話した。
「谷崎龍之介と椿が血がつながっていない兄妹だったのは戸籍の記録でわかってる」
隆史は谷崎龍之介という人物について、初音と麗は叔母の綾子から何か聞いたことはないかと質問した。
姉の椿がまだ赤ちゃんの麗を残して亡くなると20歳の綾子は、雅樹の資金援助を受けて二人の姪っ子を育てた。
麗が3歳の頃に雅樹と椿は亡くなり、隆史は父親が大切に保管していた龍之介の手紙を綾子に渡すのと、欲情の発作を抑制する後継者の試練のために湯治場に来た。
麗が10歳、初音は15歳、綾子は22歳だった。
初音を19歳で産み、29歳で麗を産み、32歳で谷崎椿という女性は亡くなっている。
「檜垣雅樹と谷崎椿は二人とも病没として処理されているが、本当はどうだったなんてわからない」
「どういうことですか?」
本条恵美が隆史に質問した。
「医者に催眠で暗示をかけておけばいい。死因が何であれ病死で処理をするって」

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