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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 218

「こういうときに一人で別行動していると目撃者と思われて犯人に殺されたあと、埋められちゃうパターンもあるよね。あたしもついて行っていい?」
「うん、麗もついてきて」
麗はすかさず隆史の腕に自分の腕を絡める。
(あ、いいな。私も隆史さんと腕を組んで歩きたいかも)
本条恵美はそう思うが、なんとなく二人っきりじゃないと隆史に甘えられない性格である。
露天風呂に行くときに手をつないで歩いていて、わざと立ち止まって隆史にキスをしたあと、急に隆史が旧谷崎家に戻ると言って小走りになったので、露天風呂で隆史さんに甘えるつもりだったのに、と恵美は思っている。
露天風呂でいちゃいちゃしていたら、タイミングとしては谷崎麗に目撃されていたかもしれない。
それは、ちょっと気まずい。
谷崎綾子は全員が押しかけてきたが、囲炉裏の前で平然と着物姿で正座をして「檜垣様は来られると思ってました」と言った。
「綾子さん、忖度(そんたく)はありがたいけど、燕杏をムラムラさせたのは失敗だったね」
「隆史さん、どういうことですか?」
燕杏に質問された隆史が、夜食にふるまわれた山人料理の天ぷらにされていた食材の山菜や茸は男性を欲情させる効果があると説明した。
「生ではなくて天ぷらにすることで効果が出る。それに、ご飯を炊いた水も山の上の湧き水だな。こっちは女性をその気にさせる効果がある」
「なんですって、叔母さん、お客様になんてことを」
初音が叔母に責めるように言った。
「初音も、おかずは食べてたけど、ごはんはよそわなかった。まずご飯茶碗がお膳になかった。気づいてたんだな」
「あたしは食べちゃった。なるほど、それで今夜はへんな感じなんだね」
そっちもそうなの、って顔で本条恵美と谷崎麗が顔を見合せた。
「残念ながら、檜垣家の当主なんで、毒物を仕込まれようが、強精効果のある料理を出されようが、効かないんだけどな、ここの温泉はちょっと話がちがうけど。それを見越して初音は性感マッサージに来たんだろう?」
「ええ、隆史さんを発情させて、うちの妹以外のふたりを性欲減退させるつもりだったんだけど。妹が檜垣の嫁になれば谷崎家は安泰ですから」
「燕杏、ここの三人は俺の身内みたいなものだし、本条恵美もそうだ。秘密をペラペラ他人に話す人はいない。その体のことを俺に説明してくれないか。さっき縛ったとき、股間がちがうのは気づいたよ」
全員が燕杏の顔を見つめた。
「良い機会かもしれません。私の秘密をお話します」
燕杏はゆっくり立ち上がり、浴衣を脱いで下着姿になって隆史の顔を見た。
「気持ち悪いと思いませんか?」
「それは燕杏が決めることじゃないだろう。俺はきれいな体つきだと思うけどな」
「男性の体ではなく、女性の体としてならきれいでしょう?」
燕杏は浴衣をまとい、一同の前に正座をして自分の体の秘密を話した。
クラインフェルター症候群ーーそのなかでも、股間以外は女性の特徴をこれほど極端に持つ体つきはかなりめずらしいこと。
組織の中では徐蓮花の指示により、女性として活動していること。
「そういうことか。それで燕杏が記憶が飛ぶほど興奮状態になったわけだ」
谷崎綾子と谷崎初音を隆史がジロッと見た。
「まさか男性は檜垣様だけだと思って」
「隆史さんがお連れの二人となさったら、妹の分まで出しきってしまうと思って」
この叔母と姪、よく似ているな、と隆史は頭を掻いた。
「燕杏、この二人、どうする?」
「どうすると言われましても、ちょっと困ります」

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