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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 215

「そんな危なっかしい訓練しているんですか?」
燕杏が眉をしかめる。
「中国には毒手って拳法の技があるだろう。訓練で壺いっぱいに毒たっぷりの液とか粉末を作って毎日片手を突っ込む。弱い毒から少しずつ強い毒にしていき、手を慣れさせていく。完成すると毒に毎日さわった手で直接ふれられた相手は、麻痺したり、後日、じわじわ毒で体調が悪くなったりする」
「奇拳ですね。聞いたことはありますが、手が慣れる前に手が腐るらしいです」
「手肌に優しいとはいえないよな。それに、ずっと革の手袋を毒の手にはつけておかないと、うっかり目もこすれない。やろうとは思わないけど、その毒手って技は、俺ならできると思う。たとえば鬼ごっこして鬼の人はは本気を出したら手袋を外す。タッチされた人は、解毒するか毒の効果がなくなるまで生き残れば勝ちとか」
「うぅ、嫌ですね、そんな鬼ごっこ」
本条恵美が淹れた緑茶を三人分テーブルに置いて言った。隆史が湯飲みにふーふーと息をかけて、ちびちび飲む。
「17歳の時に一度だけ発作で3日間意識不明になった。それからずっと毒を飲んで訓練してきた。ただ、猛毒だから効きすぎて、うっかり死にかけることがあるんだけどね」
「それを10歳の女の子が添い寝して、一夜にして回復させてくれたってわけですね」
燕杏が隆史のまねをして緑茶を飲んでから言った。
「俺が発作を起こして意識不明になっても、どうやったかのかわからないけど、谷崎家の秘技で回復できるなら、毒を飲む訓練はいらないじゃんか。猛毒だから、けっこうキツイしさぁ」
体内の猛毒を浄化して、体力と精力を回復させる谷崎家の奥義。それを調べたいと隆史は言った。
「燕杏は中国のマニアックな拳法の知識がある。毒手も知ってるぐらいだから。それに人に話を聞き出すのは恵美が一番うまいと思う」
「それで私たちをここに連れてきたんですか?」
「いや、谷崎家の奥義はおまけでわかったらいいなって話だから。二人とも忙しくて疲れがたまってそうだから、温泉ですっきりリフレッシュしてもらうのが目的だよ」
燕杏が黙ってじーっと隆史の顔を見ている。
「古い日本の文化とかにふれることって、最近は古い文化は無くなっていってるから街にいたらあまりないだろう。燕杏、ここの地酒ってどうだった?」
「おいしいです。チェイサーがあるといいかもしれないですね」
チェイサーとは、強いお酒をストレートで飲んだ後にそれを追いかけるようにして口に入れる、ノンアルコール飲料や低アルコール飲料のこと。
「ああ、たしか日本酒を飲むときに一緒に飲む水のことを和らぎ水(やわらぎみず)って言うんだ。たしかにチェイサーだな」
「私は飲んでもあまり酔わない体質なので、今夜は久しぶりに酔いました。そのせいか水がおいしく感じます」
「それは街の水道水よりかはおいしいだろうさ。温泉の成分でも含んでいるのかもな」
隆史は頬がほんのり染まっている燕杏に「酔った顔も色っぽいけどな」と言って笑ってから、お茶を飲み終えると立ち上がった。
「さてと、露天風呂に行くぞ」

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