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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 210

「10年前と俺はそんなに変わらない気でいたんだけど、中学生だった子がすっかり大人になって、着物で接客してるんだもんな」
「隆史さんは変わらない、優しい感じですね」
なにげない感じで、初音はそう言って振り向いたりせずに歩き続けている。
「星が近い感じできれいですね」
本条恵美が隣に来て隆史に話しかける。
「あとで詳しく温泉宿の3人の女性たちとの関係を教えて下さいね」
これは小声で言ったあと本条恵美は、うしろを歩く燕杏の隣に戻って行った。
本条恵美は女性しかいない違和感に気づいていた。
いくら秘湯の温泉宿とはいえ、男性従業員がいない理由がわからない。
力仕事なども女性3人でなら、なんとかなるものなのか。
村長の屋敷は他の家とちがい瓦屋根で渡り廊下や茶室や庭がある。宴会場として使える20畳の大部屋には上座に掛け軸や生け花が飾られている。
裏手の厨房には昔のかまども残してあり、火を入れたらちゃんと使うこともできる。
隆史が上座の正面に座り、左側に本条恵美、右側に燕杏が座布団のおかれた座椅子に座った。
燕杏と一人分だけ間隔をあけ谷崎初音と麗、本条恵美の隣に谷崎綾子が座った。
「私たちが一緒にお食事させていただくことは普段では考えられないことなのですが、檜垣様のご希望なので、今夜は御相伴させていただきます。かまどで炊いたご飯と今の時期に取れる旬の山菜の天ぷらなどを用意させていただきました。また近く沢でとれた鰻もございます。どうぞこの土地ならではのお食事をお楽しみ下さいませ。乾杯!」
谷崎綾子は隆史のことを檜垣様と呼ぶ。
初音と麗の姉妹は隆史さんと呼んでいた。
「ここに村ができたのは檜垣家のご先祖様が温泉を見つけて人を集め湯治場を作らせたのがきっかけだったと伝えられています。今は私たち3人だけで温泉を継いでおりますが、谷崎家は代々、檜垣家の湯治場を守ってきました」
本条恵美は谷崎綾子に話しかけて、あれこれと聞き出している。
燕杏はこの土地の山のふもとにある酒蔵で作られたという地酒を初音・麗姉妹にすすめられ、お米の甘さと豊潤な香りが特徴の大吟醸酒、フルーティな香りと味わいのバランスが整った吟醸酒、すっきりとしたキレのある辛口の本醸造酒と飲みくらべていた。
燕杏は酒に強い。よく飲む。
隆史は酒を飲まないので、用意してもらったかまど炊きのご飯を鰻の蒲焼きと山菜の天ぷらをおかずに、もぐもぐと味わって食べていた。
隆史がふもとの酒蔵に電話を入れて、山奥の3人に伝言してもらい宿泊の予約をした。
宿泊施設の古民家もおしゃれで情緒がある温泉宿だが、直接予約することができない不便さがある。
知る人ぞ知る秘湯と言われてみればそうだが、予約しずらいだけともいえる。
客が殺到してしまったら、3人では維持管理や接客が難しくなるし「良さがだいなしになるだろ?」と隆史は燕杏と本条恵美に言う。
「茅葺き屋根は音の響きを吸いますから、家の中は静かなんです」
燕杏が平原や砂漠のように家の中が静かだったと言うので初音が古民家の茅葺き屋根のことを教えていた。由緒ある古い神社などでも使われてきた同じ方法で作られている屋根ですと説明していた。

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