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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 208

「えーっ、大変。初音が車で迎えに行ってねっていうからおかしいなって思ってたんだ。あ、どうも。旅館まごころ満月亭の谷崎麗(たにざきうらら)です。遠くからよくおいで下さいました。お疲れでしょう?」
車の迎えが来ていないのではないかと心配で疲れたとは二人は言えず「ええ、まあ」「のどかなところですね」などとごまかしつつ微笑した。
「うらら、車の運転なんてできるようになったのか?」
「隆史さん、あたし、もう二十歳だよ。山の中にいたら運転ぐらいできないと買い物にも行けないから」
「俺はできないぞ」
「隆史さんは今日はお客様でしょう、運転しなくても平気だから心配しないで」
ハイエースの後部座席に本条恵美と燕杏が乗りこみ、なぜか隆史は助手席に乗った。
「あ、隆史さんもうしろに……」
「指切りげんまんして、約束しただろう、俺を隣に乗せてドライブしてくれるって」
「あたしが10歳の時の約束だけど、覚えてたんだ」
「俺をあたしのお婿さんにしてあげるっていってたな」
「そ、そうだっけ……まあ、いいや。あとで初音に自分で前に乗ったんだって言っておいてね」
谷崎初音(たにざきはつね)と谷崎麗(たにざきうらら)の姉妹と二人の叔母にあたる谷崎綾子(たにざきあやこ)の三人で運営している民宿だけれど、祖父母の代までは旅館だったので、当時の「まごころ亭満月」という名前を使い続けている。
廃村の古民家の建物を活用して民宿にしている。
「ようこそお越し下さいました。女将の谷崎初音と申します。三名様に1軒ずつお部屋もご用意できますし、女性お二人と隆史さんで別々に2軒でご用意もできます。いかがなさいますか?」
「一軒でいいよ。ふとんを三人分用意しておいてくれ。古民家をひとり一軒ずつって広すぎだろう?」
「わかりました、3名様分の寝具は用意しておきます。よくご夫婦のお客様なども古民家1軒をお二人でお使いになられますよ」
「すぐお食事になさいますか、それとも温泉に入ってからお食事になさいますか?」
そう話しかけてきたのは姉妹の叔母にあたる綾子だった。
「やあ、綾子さん。久しぶり、本当に綾子さんは老けないね。八百比丘尼(やおびくに)の伝説みたいだ」
隆史がそう言うと「温泉のせいでしょう。肌をきれいにしてくれる湯ですから」と綾子は微笑した。
「俺たちの泊まる家に案内してくれ。食事は村長の家でみんなで食べよう」
「そうですね、では先にお宿の家へご案内を……麗ちゃんお願いね」
「隆史さん、あの家こわくないのか?」
「ここに旅館があった頃からの名物じゃないか。それに前に麗が夜に俺の部屋に来たときは、本当に座敷わらしが出たと思ったんだから。こわくないよ。露天風呂に一番近い家だし」
10歳の麗が夜にこっそり隆史に会いに行ってふとんに潜りこんできたとき、隆史が今回も泊まろうとしている旧谷崎家は座敷わらしが出るという噂があった家だったので、眠かった隆史は麗を座敷わらしの女の子だと思ったまま、朝まで麗に抱きつかれて眠っていた。
「さすがにもうわたしを座敷わらしとは隆史さんは間違えないと思うけど、もし座敷わらしに会えたら教えてね」
「ザシキワラシってなんですか?」
燕杏に本条恵美が歩きながら説明した。
座敷わらしという子供の姿をした家の守り神で、子供には見えることがあるらしい。子供と一緒に歌ったり遊んだという話もある。座敷わらしのあらわれる家はとても繁栄するが、姿を消した家は没落するとも伝えられている、と。
「なるほど、隆史様なら子供みたいなところがありますから、ザシキワラシに遊んでもらえそうですね」
「そうですね」
二人でそう言って、くすくすと笑っていた。
隆史の檜垣家と同じように、谷崎家には不思議な噂が伝わっている。それを氷川奏は知っているので隆史に「大丈夫なんですか?」と言ったのを、隆史は本条恵美や燕杏に伝えていない。
谷崎家に婿入りした男性たちは長生きせず、また産まれて来る子供は女の子ばかりという女系の一族という噂。
たしかに初音と麗の父親は別々で、また麗がまだ一歳のときに母親の椿は亡くなり、椿の妹である綾子が姉の残した娘たちを育てた。
綾子も未亡人で元女将だが、今は初音に女将の役目は譲って料理長として腕をふるっている。
なぜ谷崎家に関係した男性たちが早死にするのかわかっていない。
氷川奏の推測、谷崎家の女性たちに精を搾り取られて男性が衰弱してしまうから早死にするのではないか。

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