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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 206

着席していた全員の前に苺のクリームパフェが並んた。
「俺のメイドになっても、燕杏はなかなか変われない。燕杏、俺はさっき食べたからね」
燕杏の席の前に、隆史の分のパフェが置かれた。隆史は燕杏の肩を軽くぽんとふれて自分の席に戻った。
「燕杏も食べてみなよ、クリームパフェが嫌いじゃなければだけど」
「いただきます」
燕杏がクリームパフェを食べたあと、うっとりと目を閉じてちょっと小首をかしげ、頬に手をあてながら「んー」と言ったのを見て、隆史がにっこりとする。
「みんなも食べてみなよ。話はそれからにしよう」
隆史に言われて、クリームパフェを食べた。
「うっ、これは、なかなか」
本条恵美のパフェスプーンが止まらない。
「パフェってこんなにおいしかった?」
「ここのはすごいうまい。クリームも甘すぎないから、くどさがない」
月岡愛莉と小峰勝はそんなことを二人で話しながら食べていた。見た目とはちがい小峰勝は一人でもパフェを食べることがあるらしい。
全員が食べ終わると隆史が言った。
「燕杏は誰かにおいしいものを食べさせて、おいしそうな顔を見るのは好きなんだけど、燕杏自身がどれだけおいしそうにパフェを食べているか気づいてない」
「隆史様、珈琲か紅茶でよろしいですか?」
「俺はミルクティーで。珈琲の人は手を上げて」
本条恵美と小峰勝は珈琲を、月岡愛莉と燕杏は紅茶を飲んでいた。
「今まで燕杏は徐蓮花のボディーガードだったり秘書みたいなことをしたり、いつも誰かを気にしていて自分の時間が少ない人だったから、ちょっと休憩でいいと思う」と隆史が燕杏に言った。
「そうだな、俺たちでなんとかならないときはちゃんと相談するから、燕杏も少しのんびりしてもいいと思う。俺たちは、フィリピンでのんびりしてきたから」と小峰勝と月岡愛莉がうなずいた。
「……私ものんびりしたいです、隆史さん」
本条恵美が小声で言ったはずが、全員ぱっと本条恵美の顔を見た。全員、耳がいいようだ。
(あっ、なんか恥ずかしいんですけど)
本条恵美が照れてうつむいた。
「そうだね、三人で温泉でも行くか?」
「え、私もですか、隆史様?」
「もちろん、穴場の温泉宿を知ってるんだ」
燕杏と本条恵美が顔を見合せたあと、しょうがないわね、二人で隆史の旅行につきあってあげましょう、といった感じで二人は隆史に微笑を浮かべた。
マトリは海上保安庁と連携して密輸船から密輸品をかなり多く押収した。
その中にバナナに仕込んだ違法薬物もあった。
徐蓮花は鄭虎に任せていた密輸品の取引を放棄した。
船員は中島コーポレーションの社員からバナナを受け取り、日本の港で売人に手渡すと自供した。
それは田中稔の供述と一致している。
その後、かつて隆史が玲香のために資金援助をした中島コーポレーションが、インターポールからの捜査を受けた。
テロ組織に資金援助したという容疑で中島玲香の父親は取り調べを受けた。密輸バナナを運んでいた密輸船は密輸品を船から下ろした帰りのルートで武器を運んでいた。内戦地域に密売する目的だったらしい。
中島玲香の父親は10日ほど留置場に入れられたが釈放された。田中稔の証言から密輸船が日本にバナナを運んでいたのはたしかだが、船長や船員はそれが薬物だとは知らなかったと言い逃れをした。鄭虎が中島玲香の父親に日本にバナナを送らせたとインターポールに徐蓮花からの密告があり、鄭虎に武器密売の容疑は移った。
「これで玲香の父親もおとなしくなるだろう」
隆史は燕杏と本条恵美にそう言った。
中島玲香拉致事件は、こうしてあれこれこじらせつつ大規模な国際的な事件までつながりながらも解決した。
鄭虎は密入国者として日本の刑務所からインターポールに身柄を引き渡されることになる予定である。

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