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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 205

(格闘ゲームのキャラクターっぽいと言われると、たしかにそうかもね。この人のセンス、ちょっと変わってるわ)
月岡愛莉は隆史のこわさには気づかず、見慣れない動物を初めて見た子供のような表情で、隆史を見ていた。
「月岡愛莉です。まだこの名前に慣れてないのでぎこちない感じです」
「月岡さん、左腕の傷を、消したいと思う?」
隆史は先日、整形外科医の愛人光峰晶とストーカーに刺された腕の傷の話をしていたのを思い出して質問してみた。
「やっぱり目立ちますか?」
「そうじゃないんだけど、整形外科医の人とニュースを見ていて被害者の女性は腕の傷を俺は消したいと思うんじゃないかって言ったんだけど、整形外科医の人は他の人に腕の傷があれば心の傷が相手にも見えるから残しておく、少なくてもこわかったことが思い出されるうちは、消したいと思わないかもしれないって言うんだ」
「心の傷ですか。たしかに刺されたあとしばらくこわかったですよ、包丁とかも料理で使いたくないぐらい。でも、今は名前も変わってしまって、この傷痕も前の私の思い出みたいな感じですから、消したいとは思わないですね。消しても、燕杏さんや本条さんみたいに美人になるかって言われたらならないですし。それに腕の小さい傷痕を気にする人じゃないみたいですから」
そう言って月岡愛莉は小峰勝の顔をちらっと見て笑った。
「傷もふくめて好きになってくれる人を見つけたから、消しても、消さなくてもいいって感じです」
「うん、なんか二人は幸せそうだね」
隆史はそう言って「燕杏のことをよろしくね」と言った徐蓮花の言葉を思い出していた。
燕杏は小峰勝の命を助けられるなら、隆史の奴隷になってもいいという覚悟で会いに来た。
小峰勝や月岡愛莉が幸せそうでよかったと安心した表情の燕杏が、そのためにどれだけの犠牲を払おうとしたのかは二人は気づかないし、二人が気づいて申し訳なさそうになんてされたくはないだろう。
隆史にはそんな燕杏の気持ちが少しわかる気もする。二人だけつながりに、自分は入れないさびしさもわかる。
(童話の人魚姫みたいな感じだな。自分が泡になってしまっても、好きで命を助けた王子が幸せになったらそれでいいみたいな)
隆史は三人を見ながらそんなことを考えていた。
燕杏は徐蓮花の提案を小峰勝と月岡愛莉に伝えた。
「俺たちに仕事を譲ってくれるのはありがたい話だけど、燕杏はどうするんだ?」
小峰勝は燕杏の顔をじっと見つめた。
「燕杏は俺のメイドになったんだよ」
隆史が小峰勝に言ってから、指をパチンと鳴らして「パフェを全員分よろしく」と燕杏に言った。
燕杏かうなずくと席を立った。
「組織の掟を破った二人のことを、徐蓮花がお咎め無しで済ませたのは、燕杏が俺のメイドになる犠牲を払ったからだ。燕杏は二人に話せば気を使うと思って言わなかったんだろうけど」

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