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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 194

燕杏が鄭虎のマンションの部屋から出て向かったのは、本条恵美、元公安の捜査官の探偵の事務所だった。
本条恵美は直感的に依頼人の燕杏を警戒していた。
事務所に来た依頼人にティーカップかグラスでお茶を本条恵美はふるまう。
緑茶、ウーロン茶、麦茶ならグラスで、冷たいものを氷を入れずにストローと一緒に出す。
紅茶や珈琲ならティーカップで出す。
依頼人は心配事を抱えて探偵事務所に来るが「どうぞ」と本条恵美に言われるとひとくちぐらいは口をつける。
「珈琲と紅茶どちらがよろしいですか?」
「では、紅茶でお願いします」
と、本条恵美に返事をしたのに、ひとくちも口をつけないで置かれてある。
「檜垣隆史という人と会いたいのですが、檜垣様とつながりのある人などを調べていただきたいのです」
「失礼ですが、檜垣隆史さんとは、どのようなご関係なのでしょうか?」
檜垣隆史は裏社会、とりわけ名士と呼ばれている政治家や実業家などからはおそれられている権力者であり、財力もかなりあるらしく、権力や財力を騙して利用しようと企む者もいないとは限らない。
さらに、どう見ても美女なのがとても気になる。
「私は燕杏といいます。香港の慶龍貿易有限公司に務めておりまして、檜垣氏とは過去にパーティーに檜垣氏が来られたことがあり面識があります。今回、プライベートで日本に旅行に来たので、ぜひ会いたいと思ったのですが、檜垣氏と連絡を取ってくれるはずの人が亡くなっておられまして困っています」
「日本語、お上手てすね。私はあまり上手ではありませんが、中国語で話せます。徐蓮花が檜垣隆史さんの行方を探しているのなら、協力はいたしかねます」
本条恵美が徐蓮花の名を出すと、ようやく燕杏がにっこりと笑って紅茶に口をつけた。
「徐蓮花に頼まれたわけではありません。檜垣様以外に誰にも口外なさらないのでしたら、私が檜垣様に会わなければならない事情を話します」
「依頼人の依頼の事情は他に口外したりはしません。事情を探偵に話したくないのであれば、依頼を断るだけです」
徐蓮花の犯罪組織は日本の暴力団や小さな犯罪グループを牽制している。海外のマフィアとも同盟関係を持つが、表向きは海外では慶龍という貿易会社を経営したり、飲食店なども経営している。
本条恵美は元公安の捜査官なので、一般人の知らない情報を把握している。
隆史が徐蓮花ともつながりがあり、日本の犯罪グループに圧力をかけるように指示した。それがめぐりめぐって、自分が組織から始末されかねない状況になっていることを打ち明け、自分はどうなってもいいが小峰勝と小峰勝のおさななじみの恋人が組織から追われないように、隆史に二人の助命を頼みたいことを燕杏は説明した。
「今のままでは二人は潜伏し続けるしかなく、そのままでは、いずれ始末されてしまいます」
「隆史さんに会えればなんとかなるんですか?」
「わかりません。しかし徐蓮花は組織の裏切り者には容赦なしなのは間違いありません」
また鄭虎という女好きの幹部が裏工作を嗅ぎつけつつあり人身売買オークションが終わったら、すぐに二人を日本に帰らせて村山綾乃を逃がし、小峰勝は以前と変わらず燕杏の手下である姿を見せる必要がある。それでも、徐蓮花が裏工作に気づけば、三人とも始末されかねない。
「そうなったときのために、燕杏さんは檜垣隆史さんに協力してもらって、二人だけでも助けられる手を打ちたいというわけですね」
「そうです。オークションは一週間後です。それまでに、檜垣氏に私は会いたいのです」
「燕杏さん、檜垣隆史さんは財力もあり、お金では動かないと思います」
その返事を聞いて燕杏は、この探偵は檜垣隆史について知っていると確信した。

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