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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 184

「潜伏する場所はこちらで選びます。渡航費や生活費も支援します。それでいいか、小峰勝」
「燕杏さん、三つ目の条件を、まだ俺は聞いてません」
小峰勝がそう切り出すと、燕杏は小峰勝から目をそらし、流し目で綾乃をちらっと見た。
(うぅっ、すごく色っぽい。絶対、この人が男だなんてアレを見たことなかったら誰もわからないからっ)
「憎らしい男だね。私の気持ちを知りながら、御執心の姑娘(クーニャン)を人豚にしたくないから、私に徐蓮花を欺くようにそそのかすなんて。まさか、急に人助けをしたくなったとか言ってごまかすつもり?」
黙って二人の話を聞いている村山綾乃のほうが、どきどきしてきた。燕杏は小峰勝に恋愛感情があると告白しているようなものだから。
「あんたの母親は、村山静香だよな?」
「そうだけど、なんで私のお母さんの名前を知ってるんですか?」
「俺にはろくでなしな父親がいた。五年前に癌をわずらって亡くなった。懺悔するみたいに、お前には妹がいるって打ち明けて打ち明けて死んだ。俺は親父の死んだことを群馬県で暮らしている静香さんに伝えに行った」
「そんな話、聞いたことない。たしかに私の家には父親はいないけど」
「静香さんがあんたがまだ一歳ぐらいの頃、俺の親父とつきあっていたんだ。あんた、五歳ぐらいの頃のことを覚えてないか?」
「あんまりおぼえてないけど、親戚のお兄ちゃんが遊んでくれた記憶があるけど」
「それは俺だ。俺は七歳だった。綾乃は俺をマーくんとか、お兄ちゃんって呼んでた」
小峰勝に「ろくでなしの父親」と言われている小峰源一郎は、結婚していて息子もいるにもかかわらず、親友の村山吉嗣の妻である子連れの未亡人の静香に手を出した。
夫の高校生の頃からの親友で生前から釣りに行ったり、酒を飲んだりしていたこともあり、静香は夫の吉嗣がいないさみしさから、夫の高校生の頃の話から、静香にプロポーズするのに相談された話などを、あれこれと来るたびに話していく源一郎にかなり気を許していた。
小峰源一郎を一人の男性だと意識していなかった。
静香が小学校に入学するとき、源一郎の妻に関係がバレる前に実家のある群馬県に転居したことから、源一郎も気を使い静香とは連絡を取らなくなった。
「でも、吉嗣さんのお墓にお花が供えてあることがありましたから、源一郎さんがお墓参りには来ているのは知っていました」と源一郎の訃報に静香は小峰勝の目の前で涙をこぼした。
「かわいくてちびっこかった綾乃が、すっかり大人になって、まさか人豚にされかかってるとは思わなかったけどな」
高校を卒業して専門学校に入学したあと、綾乃は専門学校の講師とつきあった。卒業後は歳上の彼氏と別れてキャバクラ嬢になった。仕送りかいらなくなると、実家の母親とは仕事のことを説明したくなかったので、それからずっと疎遠になっている。
母親が不倫をしていたなんて、想像もしてみたこともなかったが、もし自分が赤ちゃんを育てながら未亡人として暮らしていて、あれこれ気にかけてくれる親しい男性が本気で体を求めてきたら許してしまうのもわかる気がした。
(そうか、あのときのお兄ちゃんだったんだ)
綾乃があれこれ納得して、うなずきながら小峰勝の話を聞いていた。

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