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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 177

「ふふっ、本当にあなたは頭がいい人だ」
燕杏はかつて男性の証を示すように喧嘩していた。
「闘鶏の軍鶏」という渾名で上海では呼ばれていた。
軍鶏(シャモ)は闘鶏用に改良された種で、闘争心が非常に強い。燕杏は軍鶏というニックネームを気に入った。
闘鶏において、敗北とは即ち「死」を意味している。どちらか一方が再起不能になるまで闘いは続く。
負けた鶏は、たとえ息があっても殺処分されてしまう。負けた鶏は勝負の瀬戸際で負けたと判断して勝ちを逃す。
生きるためには、勝ち続けなければいけない。相手を殺し続けなければいけない。
相手も軍鶏なら闘えるが、相手が餌のミミズだったら全力を出しきる必要はない。
燕杏は自分の見た目が女性であることを利用できる知恵を裏社会の中で身につけた。相手がミミズの場合は、こちらが軍鶏だと気づかれないほうがやりやすい。威圧しないほうが動かしやすいこともある。
人を仕切るときは軍鶏だとわからせておいたほうがいい。服従しなければ容赦はしない、ということをわからせておかなければまとめあげるのはむずかしい。
ミミズでも土の中に潜ることはできる。
村山綾乃は人豚の話をしたらすぐに自分がミミズの立場だと理解して怯えた。怯えることができなければ、餌にされるまで自分は安全だと信じきっている愚か者である。
ミミズの立場だとわかれば喰われるか、土の中に潜るか瀬戸際の選択ができる。
オカマだと罵ってみることはのたうち威嚇しているつもりのミミズとかわらない。男性、女性、どちらかの答えを、燕杏の機嫌を損ねないように媚びて答えるのは、自分の力で生き残るのではなく相手に運命をゆだねている。たしかに軍鶏が満腹なら生き残るかもしれない。威嚇するミミズよりかは多少はましだが、愚かなのはかわらない。
村山綾乃は自分の考えで質問に答えた。
自力で生き残ることをあきらめていない。生きるのをあきらめず土の中に潜るミミズ。地中深く潜られたら軍鶏でも喰らうことはできない。
徐蓮花の手下として生き残るか、威嚇して喰われるかの選択で生き残った小峰勝も、元風俗嬢の村山綾乃を燕杏に会わせることで生き残るチャンスをつかませようとした。
もしも、村山綾乃が選択をまちがえれば軍鶏に喰われる。危険だが、そのまま人豚になるのが嫌なら、村山綾乃がひとりで審判の場に立つしかない。
ミミズが土の中に潜るように、組織の中に入り生き残るか、生き残るために闘い続ける軍鶏として生き残れるか。
小峰勝は土の中に潜ったミミズだが、裸で燕杏に向かい合っている村山綾乃は、たとえるなら軍鶏の雛鳥といったところか。

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