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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 173

宗老人がベッドの普段は足を向けている側に手錠をかけたので、枕元にあるタブレットを気に止めなかったのかもと思った。
左腕は上げたまま、右手は胸の下のみぞおちあたりに置いて仰向けに寝そべって寝たふりをしている。
シングルベッドなのでベッドの端には届かないが、枕元にはどうにか足がとどく。
両足の爪先で挟めれば、と必死に脚をのばしてみると、タブレットにふれた。
(ああ、もうちょっとなのにっ!)
あまり無理をすれば、手錠とパイプが当たったりこすれて音が鳴ってしまう。
その時、リビングから足音を忍ばせて人が近づく気配がしたので、村山綾乃は脚をのばすのを止めた。
薄目で確認すると、宗老人ではなく体のがっしりとした男のほうだった。
「しっ、そのまま寝たふりをしてろ」
男は慎重に手錠を外して、村山綾乃をベッドから軽々と抱き上げる。腕力がある。
そのまま玄関の扉を開いて部屋の外に出た。
「下に車が呼んである。俺はついていってやれないが……いいか、生きるのをあきらめるなよ」
村山綾乃は意味がわからないが、アパートの前に黒塗りの日産プリウスの後部座席に乗せられた。
助手席にいた黒のスーツに白いブラウス姿のロングヘアーで黒髪の女が後部座席の村山綾乃の隣に座ると車が走り出した。
〈どこに行くのかしら、すごくこわい)
村山綾乃は隣にいるのが、燕杏(イェンシィン)だとは知らない。車を運転しているのは「桃花」の送迎ドライバーで、夜は燕杏の運転手の男性従業員だった。
全員無言のまま、車は闇カジノのそばのラブホテルの入口で停車した。
「降りるわよ、ついて来なさい」
村山綾乃はTシャツ1枚のあられもない姿なので、おどおどとしたまま、女についてホテルの建物に入る。
女は村山綾乃の様子を気にした様子もなく、すたすたと歩いてホテル3階の部屋のドアを開けた。
「さあ、入りなさい。村山綾乃さん」
急に名前を呼ばれて驚いたが、逃げ出すわけにもいかず村山綾乃は部屋に入った。
あとから女が入って扉を閉めた。
「座りなさい。少し話をしましょう」
村山綾乃の向かい側のソファーに女は座ると、タバコを取り出した。
「あなたも喫いますか?」
「いえ、私は」
「そう、いらないのね」
燕杏はタバコに火をつけ、一口深く吸い込むと、ふぅっと村山綾乃に煙をわざと吹きかけた。
村山綾乃が眉をしかめて、燕杏の微笑を浮かべた顔を見つめた。
すぐに燕杏はタバコを灰皿に押しつけて火を消した。
「私は燕杏。デリヘル〈桃花〉の店長です」
「部屋で監禁されたんですけど、男の人と電話で話してませんでしたか?」
「そう、話してたのは私。あなたは頭がいい」
聞きたいことはたくさんあるが、デリヘルの店長という燕杏の雰囲気におされて村山綾乃は黙っていた。
タバコの煙を吹きかけてきたのは挑発で、わざと怒らせようとしている気がした。

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