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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 163

犯罪を撲滅しようとか、隆史はまったく考えていない。
女医の光峰晶と会う約束の日までに、八神渉と吉川雅美を犯罪グループから保護するためには、どうすればいいか。
それだけを考えていたようだ。
隆史は自分のやりたいことしかしない。
それが正義か悪か、ということは考えていない。
後日、隆史はストーカーに刺された女性のニュースを見て、光峰晶に「傷痕を目立たなくする方法ってあるかな?」と聞いていた。
「ポチ、傷痕を目立たなくはできるけど、残しておいた方がいいかも」
「どうして?」
「痛かったこと、すごく嫌だったことって、なかなか忘れられないから。人がそばに近づいただけでこわいかもね。傷痕が目立たなくなっても心の傷ってすぐには消えない。傷痕があれば、こんなことがあってこわかったって、他の人にも伝わりやすいでしょう?」
「心の傷か」
「刺された女の人が、そばにいても安心できる人と出会えるといいね」
心の傷は他人に見せることができない。
光峰晶は整形外科医で、手術で患者が望んだ美しいと思う容姿に近づけることを要求されることが多い。
加齢によるしみやしわなどを目立たなくしたり、ホクロの色を目立たなくしたり、患者のコンプレックスになっている部分を変える。たとえば歯並びが悪いと気にしている患者の場合、歯科医師と協力して対応することなどもある。
患者たちは、他人から見てどう思われているか、ということを気にしているつもりで、本当は自分の思った通りにいかないことを、コンプレックスのある部分のせいにしていることがよくある。
傷痕があるせいで、いつまでも忘れられないと思うのか、傷痕が残ったがストーカーを逮捕してもらえて、少なくとも犯人が一発実刑で刑務所に入れられている間は安心できる時間ができたと思うのか、それは被害者女性しだいで傷痕が目立つかどうかとは別問題ということ。
隆史はストーカーに腕を刺された女性の傷痕を目立たなくする、高額な手術費用をあげようと考えたらしい。
「ストーカーに狙われたのは女性側にもつけこまれる問題点があったかもしれず、ストーカーを挑発しないようにするには、極端に避けたり、罵ったり、友人や家族にストーカーを説得させようとしたりせず、嫌がらせなどの証拠をしっかり集めて警察に相談に行くことが大切です」
「ポチ、このコメンテーター、頭が悪いよね」
隆史の隣でソファーに腰を下ろして、光峰晶もニュースをながめながら言った。
男性のストーカーが全員ナイフで脅してレイプしようと考えたり、勢いで女性を刺したりするわけではない。
したがって、挑発しなければそうした行動をストーカー男はしなかったと思っているようなコメンテーターの意見だが、ジャックナイフを持って女性の暮らすアパートの部屋を訪れたときは、覚醒剤を打って訪れたと知ったら、女性がストーカーを挑発したか、挑発しなかったかの問題ではないことがコメンテーターにもわかるだろうか。

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