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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 161

隆史と探偵の本条恵美の指示で高級ホテルに避難しているうちに、吉川雅美は八神渉に自分の心に抱えてきた悩みを打ち明け、それでも八神渉が自分を求めてくれるのが、本当にうれしかった。
八神渉を口封じのために拉致しようとする前に、本条恵美からの情報提供で失踪者探索サイトの存在を把握していたにも関わらず警察は事件が起きるまで対処できなかった。
この闇サイトストーカー事件のニュースを吉川雅美が嫌いなのは、八神渉が夫の吉川和義に自分を売り渡していたらと、つい思い浮かべてしまうからだった。
八神渉は雅美を売り渡すよりも、同棲したいと思ってくれたから良かったが、そうでなければ、教祖の北川天に譲り渡していたと思う。
金欲しさに隆史の別荘に暮らしている女性を売り渡すつもりで、八神渉は探しに行っている。それは自分のためだけでなく、雅美と暮らせる場所を失いたくないという渉の優しさから取った行動だったかもしれないと思う。
ストーカーに女性の所在を売り渡した人に、依頼人はストーカーかもしれないと考える想像力がなかったのか、それとも自分の金が必要な都合が最優先で、ストーカーでも自分とは関係ないと考えてしまったのか。
どちらにしても、吉川雅美は愚かでさみしいと思う。
もしも八神渉の命を救えるのなら全財産でも、自分の命でも惜しくはないと思う。もしも他人の命を犠牲にすれば、八神渉の命を救えるとなったら、自分はどうするだろうと考えると、ぞっとする。
他人の命を犠牲にしようとするのではないか。
もしも世界のすべての人を犠牲にしても、八神渉と雅美が一緒にいられる世界を望んでしまう。
「おいおい、考えすぎて壮大な感じになってるね。それはどんな状況でそうなるの?」
八神渉は雅美の肩の丸みを撫でながら言う。
「雅美さんの命を救うために、他人の命を犠牲にしなくちゃいけないとしたらか。うーん、あのさ、犠牲にしても嫌な気分にならないような人間のクズっていると思う」
「人間のクズ?」
「うん。たしかに雅美さんのお母さんにとってはすっごく大切かもしれないし、雅美さんのお父さんかもしれないけど、教祖の北川天って奴は迷惑をふりまいている人間のクズだと思う。あっ、俺も他人からしたらひどいクズって思われてるかもしれないけど」
「そんなことないです。渉くんは優しいですから」
「人間のクズがいなくなれば、未来に被害が拡大することはないと思う。でも、俺が北川天を殺したとすると、俺は刑務所に入れられて、雅美さんとセックスしたあとベッドで眠くなるまで話すことができなくなっちゃうじゃん。それは嫌だなって。俺も自分の幸せしか考えられないクズかもしれないけど、クズでいいと思うときがあるよ」
「渉くんが刑務所に入ったらいっぱい面会に行きます。差し入れもしてあげます」
「やだね。雅美さんのおっぱいを揉めなくなるなんて」
「あんっ……んっ、もぅ……おっぱい好きですね」
吉川雅美が笑顔になったので、八神渉はほっとした。
隆史が滞在するつもりで予約してあった高級ホテルのスイートルームを、八神渉と吉川雅美に譲って、10日間外出禁止と伝えた。
ホテルから二人が外出しようとした場合と二人の部屋に隆史や本条恵美以外の者が訪ねてきた場合は、本条恵美にホテルから連絡が入ることになっている。
二人が外出しようとしたら、ホテルの従業員が止めることになっている。
また、隆史や本条恵美以外の訪問者には二人はいないと伝えることになっている。
八神渉の暮らすアパートの部屋を張り込みして本条恵美が警護する必要がなくなった。八神渉や同棲中の吉川雅美を拉致して始末しようとしてくるかわからなかったので、念のために本条恵美に隆史は頼んでおいた。
隆史の予想が的中し、吉川雅美が拉致されかけた。
暴力団対策法で公安委員会から追い込まれ解散した元組員を仕切っている元締めに、隆史は中島玲香の拉致を八神渉に依頼したグループが、元締めが隆史に依頼されている仕事(食糧・日用品などを樹海の中の別荘に運搬する)を利用した情報を伝えた。
公安には本条恵美経由で、失踪者探索サイトの調査を隆史が望んでいると伝えてもらった。
その前に警察庁の薬物銃器対策課と厚生労働省の管轄である麻薬取締部(マトリ)に失踪者探索サイトの情報を伝えたが、どちらも慎重に調査するために、警視庁サイバー犯罪対策課の協力を要請したので、捜査は停滞していた。
ストーカー被害の相談は、各警察署の生活安全課が受けているが、中島玲香の拉致や吉川雅美の拉致を相談しても、八神渉がストーカーとしてマークされるだけなので、隆史たちは利用しなかった。

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