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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 158

八神渉が恋人と助かるために黙って知恵をしぼっているあいだに、別荘に食糧から雑貨まで運搬してくれる元組員たちの元締めに電話をかけていた。
「運搬係に不審者がまぎれこんだのは俺のせいなのかな、それとも、不審者をまぎれこませてあなたの顔をつぶしてもいいと思った奴らのせいなのかな?」
通話を終えた隆史が八神渉に言った。
「鈴木くんに100万円くれるって言ったグループには、こちらできっちり落とし前をつけますんで、とか言ってたら来週には解散してるかも」
「落とし前をつける?」
「鈴木くんにかまってられなくなるってこと。鈴木くんは下手に依頼してきたグループの人とかに会おうとか考えないで、おとなしくしてないと巻きこまれるよ」
八神渉は恋人が拉致されかけたので怒りがこみ上げてきていて、八神渉が使っていた人探しのサイトの運営者はこの100万円の人探しの依頼人を知っているかもしれない、サイトの運営者に会いに行こうと考えていた。
まるで八神渉の考えを読んだように隆史に「おとなしくしていないと巻き込まれる」と忠告されたので驚いた。
隆史が「来週にも」と言った意味がわかったのは、八神渉も利用した失踪者探しサイトがマスコミで話題になり閉鎖されたのが、翌週だった。
失踪者探しサイトを利用して、ストーカーが相手を見つけ出すために使ったと自供した。被害者女性はサバイバルナイフで腕を刺されたが一命を取り止めた。
警察のストーカー対策の甘さをコメンテーターで呼ばれた人たちはしきりに初めは言っていた。
だが、闇サイトとしての失踪者探しサイトの利用が自供されたことを警察が公開したと同時に、コメンテーターたちは闇サイトの報酬目当てで被害者を探した第三者の事件への関与と、探して報酬を受けた者も罰する法律がないことを非難するコメントに変わっていった。
失踪者探しサイトの利用者の中に覚醒剤の売人を報酬を出して他人に探させ、見つけた売人から違法薬物を購入した芸能人が摘発されるなど、失踪者探しサイト関連のニュースが続いた。
八神渉が失踪者探しサイトの運営者と何らかの関わりを持っていたら、闇サイトの報道騒ぎに巻き込まれていただろう。
運営者へ報酬の未払いについて利用者とのあいだトラブルがあったというように脚色されて、サイト利用者の代表者として八神渉が注目され、記者たちに非難されていたかもしれない。
八神渉は隆史の忠告に従って、自分を殺そうと企んだのが誰なのか追及するのを止めた。
「雅美さんが狙われたのは、あなたのせいよ。しっかりしなさい!」
事務所に到着するなり初対面の探偵の本条恵美が、つかつかと近づいて八神渉を平手打ちした。
「痛っ!」
後ずさりして頬を押さえた八神渉に吉川雅美が走りより、八神渉のあいだに立って本条恵美をにらむ。
「いいんだ、この人の言う通りだよ。雅美さん、無事でよかった」
吉川雅美に後ろから腕をまわして抱きしめた。肩のあたりに顔を近づけ八神渉が言った。
「ちょっ、渉さん、みんな見てますから」
吉川雅美が耳まで赤らめて照れた。
隆史はすっと二人のそばを通過して本条恵美の隣に歩いてきた。
本条恵美が微笑み、隆史の顔を見つめた。

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