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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 156

隆史の別荘から疲れきって朝帰りで部屋に帰ると、吉川雅美が目の下に少しくまを作って、八神渉を寝ずに心配して待っていた。
「黙ってそっと帰ってきて、私に何か言うことあるんじゃないんですか!」
「あ、うん……ただいま、雅美さん」
そう言った途端に目を潤ませた吉川雅美に抱きつかれた。
「行き先も言わないで、ふらっと3日も戻らないなんて、すごく心配したんですから……ふえぇぇっ」
「うん、ごめん」
高額の胡散臭い失踪者探しで、富士の樹海まで行かされるとは八神渉自身も思ってなかった。
八神渉の手に巻かれている包帯を見て、吉川雅美がどきときしながら傷を確認した。ガラスで切れた肉はくっついて、かさぶたがもうできていた。
包帯にガーゼが当てられ、ガーゼにも血が滲んでいたのですごい傷かと思った吉川雅美が、治りかけている傷を見てほっとした表情になった。
「消毒して、絆創膏はっておきますね」
吉川雅美は元看護師なので、ガラスで切ったと聞いて首をかしげた。
(傷口をすごく上手縫ったとしても、こんなに早く癒着して、かさぶたがとれたら傷痕も目立たないほど治るなんてありえない)
はーっと八神渉がため息をついてベッドに寝そべった。
キッチンスペースで吉川雅美が鼻歌を歌いながら焼きそばを作り、ソースの匂いが八神渉の腹を鳴らした。
吉川雅美がテーブルに二人分の焼きそばを並べた。焼きそばの上に、八神渉が好きな目玉焼きまでのせてある。
「渉くん、なんか心配事があるんですね」
食事を終えて、吉川雅美が洗い物を済ませるとテーブルの前に正座して、渉が考えごとをしながらながめているテレビを消した。
「実はこの部屋の家賃を滞納してて」
「家賃分のお金は何に使ったんですか?」
「バイト先のそばのゲーム喫茶で、ポーカーのゲーム機に突っ込みすぎて」
「バイト代全部ですよね?」
「……はい、全部です」
八神渉も正座して、吉川雅美に自供している。
ため息をついて吉川雅美が領収書をテーブルに置いた。
「不動産屋さんが来たから、来月分までまとめて払っておきました。だから、出ていかなくても大丈夫」
「雅美さん、そんな大金持ってたの?」
「渉くん、へんなアルバイトとか、儲け話とかにふりまわれないで、この滞納の家賃分は働いて毎月、分割で返して下さい。無理しないで、ちょっとずつでいいですから。わかりましたか?」
「はい」
そばにきた吉川雅美が八神渉の頭を撫で、チュッと頬にキスをした。
隆史の別荘から八神渉が無事に生還したことはすぐにバレた。すぐに八神渉は、吉川雅美の前で、闇カジノの店長にアルバイトを辞めると電話を入れた。闇カジノの店長から、客に八神渉が辞めた話が漏れた。
檜垣の愛人を八神渉に拉致させようと計画したグループと話を聞いた客とは、金の貸し借りでつながりがあった。
檜垣の当主の愛人を拉致する件を1千万円で請け負い、八神渉に100万円の報酬で実行させたのが、自分たちだと檜垣の当主にバレると、何をされるかわかったものではないので、八神渉の口を封じることにした。
八神渉のワンルームの部屋から、八神渉を呼びつけるために吉川雅美が拉致されかけたのはわずか一週間後だった。
「八神渉さんが交通事故にあわれまして、今、病院に搬送されています」
警察を装った三人の目つきの悪い男たちが、アパートに訪れた。吉川雅美が青ざめ、病院まで送りますと言う男たちと黒塗りのスモークガラスのアルファードに乗り込む寸前に、探偵の本条恵美が吉川雅美の腕をつかんで男たちから急いで引き離した。
「私、病院に行かないといけないんです」
「それ嘘です。八神渉さんはうちの事務所であなたを待っていますよ」
「え?」
男たちがそのまま二人を駐車場に残しアルファードに乗って立ち去った。

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