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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 145

隆史は持ってきた傷薬の軟膏を男に塗り、奏がガーゼあて、包帯を巻くときには、すでに出血もおさまっていた。
月明かりもない小雨が降り始めた真夜中の樹海に出ても、迷って隆史の別荘にも戻れなくなる。樹海を抜けて道に出られる可能性は低い。
「もし逃げ出していたら、遭難してたろうな」
侵入者の隆史より少し若い、氷川奏と年齢としては同じぐらいの窃盗犯に隆史は言った。
早朝4時に隆史の別荘に侵入してきた窃盗犯は、隆史の書斎に案内されて事情聴取をされた。
ウェッジウッドのティーセットのティーカップを並べ、アルマニャック・ド・モンタルという80万円のブランデーを窃盗犯の目の前で紅茶に入れ、ブランデー紅茶を用意した。
その隣に並んでいるのはクッキーはマレーシア産チョコレートクッキーで、10枚入り97円。
「急に早朝に来ても、クッキーぐらいしか用意できない。とりあえず、話を聞かせてよ」
隆史はクッキーを一枚、無造作につまんで自分の口に放りこむ。窃盗犯は、警戒しながらブランデー紅茶に口をつけて「うまい」とつぶやいた。
「クッキーはどう?」
「んー、普通かな。普段クッキーなんて食べないから、よくわからないけど」
隆史は窃盗犯の話を聞いてうなずきながら、自分はミルクティーを飲んでいる。
「配送を頼まれていたのは7人。田中、高橋、吉田、長谷川、渡辺、井上、藤田。君は藤田?」
「俺はなんか運ぶ人が欠員が出たかわりで行くように言われて。藤田じゃなくて、鈴木だよ。バイト代で1日2万円もらえるし、飯も宿泊費も出してもらえるって聞いて。でも、樹海の中に入るなんて俺、まったく聞いてなくて」
「うん。藤田って人のかわりだったわけだ」
「ちょっと立ちションしてくるって言ったのに、戻ったらみんないなくなってて」
そのまま樹海で迷ってしまい、早朝4時に樹海の外じゃなくて、隆史の別荘についてしまい、不法侵入したということらしい。
「そのバイトは誰に?」
「新宿の闇スロで来てた客から。俺、闇スロの店で店員でバイトしてるから。闇スロってわかります?」
「行ったことないけど、おもしろいの?」
「普通のパチンコ屋のほうがいいですよ。うちの店、あんまり勝たせないから」
この鈴木という窃盗犯は運搬係たちに樹海で置き去りにされたと言っているが、置き去りにしたなら運搬係たちが別荘まで引き返してきて「新人の藤田がいなくなった」と氷川奏に報告などしない。
運搬係として、樹海の中にある隆史の別荘の位置をつかむためにまぎれこんだ。
別荘の位置をつかむだけなら、侵入する必要はない。
位置を把握したが、別荘に侵入して何かを持ち帰る必要があった。
または、隆史と面会する必要があった。
氷川奏はティーポットをテーブルにそっと置いた。
(暗殺者。隆史様を殺して逃げ出す気か)
侵入者は隆史を目の前にして、さらりと嘘をついた。

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