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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 125

「セックスしたいけど、妊娠はしたくないってこと?」
「うん、ちょっとね、前に嫌なことがあったから」
「話したくなければ聞かないけど、気になるな」
光峰晶は大学生の頃に、つきあっていた彼氏が光峰晶と結婚すると言うのを信じきっていて、彼氏の望みで避妊しないでセックスしていた。
しかし、光峰晶が妊娠したとわかると「俺たちまだ学生だし、まだ結婚は無理だ、堕ろしてくれ」と言われて愕然とした。それから、泣きながら一人で中絶した光峰晶を彼氏は避けるようになり、同じ学部の後輩と浮気した。
「別れてくれ」と彼氏が部屋の合鍵を置いていった。
「三年はつきあったんだけどね」
隆史はそれを光峰晶に腕枕しながら聞いていた。
「その彼氏のことがまだ忘れられないの?」
隆史の質問に、光峰晶はしばらく黙りこんでしまった。
「そうじゃないと思いたいんだけど、そうなのかな?」
中絶して別れてから、光峰晶はたしかに誰ともつきあう気がなくなった。
絶望感が強すぎたのかもしれない。
それからはがむしゃらに整形外科医として開業して、それなりに裕福な暮らしができるぐらいになった。
がむしゃらに努力できた裏側に、妊娠したら捨てられたことの恨みはあった。
絶対に私と別れたことを後悔させてやる、という思いが……。
「よくがんばったね」
あれこれ言われると思っていた隆史にひとことだけ言われて、頭を撫でられた途端、光峰晶はぽろぽろと涙をこぼして隆史に抱きついていた。
しばらく泣いている光峰晶の肩を撫でながら、泣き止むのを隆史は待っていた。
「ポチ、ありがとう。なんか、泣いたらすっきりした」
光峰晶はさっぱりした気性の女性のようだ。
「ねぇ、ポチ。もう、誰かを好きになってもいいのかな?」
光峰晶は子供づれの親子を見ると胸が痛む。あの日に中絶した子が生きていれば、もう10歳と考えてしまう。
そんな自分が恋愛したり、セックスして妊娠するのは許されることなのか。
光峰晶はそんな罪悪感を抱えて10年間をすごしてきた。
「産みたかったんだね」
隆史に言われて、光峰晶はうなずいた。
「でも、私、ちゃんと自分の気持ちを言えなかった」
また泣き出すかもしれないと心配した隆史が、光峰晶の顔を見つめた。
「なに、ちょっと、また泣くと思ってるでしょう?」
「うん」
「私の話はこれでおしまい。もう泣かないから」

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