「恥ずかしいから、言わないで」
うつ伏せのまま、枕に顔をうずめて小声で隆史に答えた。
舌の温度を伝えるように、ゆっくりと下から舐め上げる。尖らせた舌先でアナルとその周りをランダムにくすぐる。アナルの周りに唇をぴったりとつけて、口の中で舌を不規則に動かして舐める。
規則的に舐めると、刺激のタイミングに慣れてしまう。局部的な愛撫は慣れさせないほうが効果的だ。
唇を密着させて口の中を真空状態にしてから舐めるので、すこし吸引されているような感じになる。
隆史は光峰晶のアナル舐めでこうした緩急をつけた舐めっぷりをしてみせた。
単純に媚薬で感度が上がっていても、何も工夫もなく舐めたとしたら、光峰晶は簡単に絶頂したりしない。
オナニーの真っ最中を見られたことよりも、あっさり絶頂させられて、その顔をのぞかれるほうが光峰晶は恥ずかしいようだ。
隆史はアナル舐めの直前に、背中から足の裏、足の裏から背中と規則的にマッサージしていて、その刺激に慣れさせて、すっかりリラックスさせておいた。
しっかり下準備をしてから、一番いじりやすい性感帯を責めた。
隆史は恥ずかしがっている光峰晶の腰をぐいっと上げるようにして、光峰晶に立て膝をつかせた。
隆史が勃起したモノの先端を股間のわれめに当てがった。
「え、あっ、ちょっと、コンドームつけて、あぅっ！」
隆史は避妊具を使う気はまったくない。ぬちゅりと勃起したモノが深く突き入れられた。
「オナニーを見せて誘ったくせに、俺、もう我慢できないよ」
隆史が腰を動かしながら光峰晶に言った。
隆史にオナニーする姿を見せてセックスに誘ったけれど、マッサージされたり、アナルを舐められたり、そして避妊具なしでされるとは光峰晶は思ってなかった。
そして、媚薬の効果で感度が上がっているので、バックで激しく突かれると光峰晶は抵抗できなかった。
「だめぇ、中に出したら、赤ちゃんできちゃうっ、はぅ、あんっ、んあぁっ！！」
隆史は光峰晶の腰のくびれのあたりをがっしりつかんで逃がさない。
「はぅん、あっ、すごいっ、あんっ、はひぃっ！！」
隆史は腰の動きを変えてモノでかき回すようにすると、光峰晶がのけ反るように顔を上げて絶頂した。
隆史はあえて射精しないで勃起したモノを抜き出した。
「はぁ、はぁ、はぁ……ポチ、ひどいよ、中に出すなんて」
涙ぐみながら怒った光峰晶が言った。
「出してない」
「え？」
仰向けになった光峰晶は、自分のまだ濡れている性器にふれてみた。たしかに、膣内射精されていたら逆流してきた精液がべっとりなはずなのに、それがない。
それに隣で仰向けに寝そべっている隆史のモノが勃起したままなのに気がついた。
「ポチ、途中で止めてくれたの？」
「うん、中に出さないでって言ったから」
隆史は目を閉じたまま、光峰晶からすると、とてものんびりした口調で答えた。
（なんなの、この人、わけがわからないんだけど。私ばっかり気持ち良くして、自分は出さないで我慢してるはずなのに、なんかのんびりくつろいでる感じだし)
ハラハラしたあと、ほっとして、怒っていたはずなのに、よく考えてみれば自分だけいい思いをしている気もしてきて、光峰晶は「もう！」と言って隆史の小太りの腹をぎゅっとつまんだ。
「痛っ！」
「これで許してあげる。でも、妊娠しちゃうかと思って、すごくこわかったんだからね」