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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1076

咲が前のめりに隆史のぽっちゃりとした身体の上へ、挿入されたままかぶさるように崩れると、隆史は下からの突き上げを止めて、咲の汗ばんでほんのり桜色に色づきしっとりとした背中を撫でる。

「あ……はぅぅ、ん……」
「咲、このまま続けてもいいか?」

隆史に話しかけられた咲はすっかり淫らな表情でぼんやりとしてしまっている。隆史は急がずに咲の息づかいが落ち着くまで、下から優しく抱きしめていた。
水野咲が、通りすがりのドラッグによって興奮状態に陥った脇田友之によって、街の中にある神社でレイプされてしまったあと、絶望して自殺してしまう世界。その世界が、檜垣隆史の干渉によって消え去ったわけではない。
新たに再構築されて、水野咲が生き残る世界に一瞬で変化してしまった。
隆史とセックスしている咲が隆史に抱きしめられて、膣内に大量の白濁した熱い精液で子宮に満たされながら、頭の中まで何も考えられないほど真っ白に染め上げられている。
絶頂の瞬間に、自ら死を選択してしまい心臓が停止して意識が失われた瞬間の失われた世界の記憶が隠れている。
人の死は、ただ1度だけの瞬間。それを微細な粒子のようなエクスタシーの快感の一瞬に分散して拡散されて、水野咲ひとりだけでなく、世界全体にばらかれた。
今は存在しない世界の絶望した水野咲は、レイプされた犯行現場の神社で自殺した。水野咲の死は快感となり、新たに再構築された世界に存在するエクスタシーとして快感に変換されて、夜空の星のように散らばっている。
鷺原征一郎がマリア・サギハラに射精する瞬間の快感に。鷺原聖華が自室の寝室でオナニーする快感に。天満教の信者の吉川愛海が、微笑する倉持志織にしなやかな指先を肛門に入れてもらい絶頂する快感に。まだセックスをしたことがない童貞の竹田修や竹田豊がゲームのエッチシーンで興奮してオナニーして射精する快感の瞬間に。
性の快感として散らばって消尽され昇華される。もし、音が鳴るとすれば美しい小さなガラスが砕けちるような音を立てるかもしれない。
時間差で別の日の昼間に、竹田裕子と哲が交わってふたりが絶頂する瞬間や竹田巽とミカのふたりが交わり絶頂する瞬間も同じ涼やかな音がかすかに鳴り響いている。
エクスタシーには、死の恍惚が隠されている。恍惚の一瞬を過ぎたあと、ゆっくりと息づかいや鼓動を鎮めながら、それぞれ新たに再構築された世界に生還している。
この場で語られていない人たちの死も、生存している人たちに分散されて昇華されている。だが、その昇華の理(ことわり)が失われていれば、世界中でもっと多数の死者が記録されるだろう。
それをすべて理解している者はいない。始まりにして終焉でもある幻想界にあるときには、バラバラの情報の破片となって漂い自意識が構成されていない。
死の瞬間を過ぎたあとも、幻想界で安息に似た静謐に回収されずに再利用され、現実の世界へ留まることもある。脇田友之の意識は亡霊になりきることもできずに幻想界に取り込まれずに別の再構築された存在へと成り果て、鏡真緒に言わせれば霊障をもたらす怨霊と呼ばれるものとして、現実の世界に留まっている。それは、鬼っ子様からは穢れと呼ばれるものである。

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