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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1067

豊が恋愛に興味がないのは、まだ中学生だからという理由ではない。恋愛だけではなく人間関係をゲームのように感じていたからだった。
決められた正解の行動さえしていれば、何も問題はないゲーム。それは男子でも女子でも同じことだった。
次男の修は、哲先輩の弟という肩書きがあったおかげで、いじめられることはなかった。哲は喧嘩するときは、容赦なくぶん殴る。父親の巽は仕事柄、体中の筋肉ががっつりついている。父親と哲は、腕立て伏せや腹筋や縄跳びをして、ボクシングの真似をしていたから、哲も体つきが引き締まっている。
修には、兄の哲に興味がある女子が近づいてくることがよくあった。いじめられることはなかったけれど、相手が哲の弟という先入観があるので、それにずっと合わせるのが癖になってしまった。
小学生や中学生でいじめられていた連中は、修に近づいてきたり話しかけてくることは皆無だった。
高校に入学して、いじめられた男子生徒は授業が終わったあと、次の授業のためにホワイトボードの書き込みをきれいに消していた。それが仕事みたいにきっちりやるし、教室の時計の電池が減って遅れていると職員室に報告に行ったりしていた。
それが変わってると思った女子連中があれこれ本人に聞こえるように、嫌みを直接言わないでいじめているのを聞いて、修はイライラしてしまう。

「高校生にもなっていじめなんてカッコ悪いことすんなよ」

修は席からその女子連中に声をかけるとおとなしくなった。いじめられていたやつは修に軽く頭を下げて、ホワイトボードをきれいにすると、手を洗うために教室がら出て行ってしまった。
哲の弟という肩書きがある修は、多少は目立つことをしても、いじめられない。
いじめているつもりはなく、常識からずれているというのを、同意しあって連帯感を確認しあっていた女子グループと、次の授業の準備をしないのは無責任な非常識な連中だと思っているひとりの生徒が意地を張って行動していて、その生徒は自分が目立っていじめられているとは気づいてなかった。
修が発言した結果、自分たちは言葉でひとりを責めるいじめをしていたと、女子たちは気づいた。
次の授業の準備をしていた生徒は、女子たちの言うことももっともだと思いながら引くに引けなくなっていた。内心では先生が、授業の終わりにホワイトボードをきれいにして行けばいいのにとさえ考えていた。

「前の授業の書き込みが残ってたらさ、先生が消して、自分の授業するのに、わざわざ消しておく必要ないよねぇ」

ホワイトボードをきれいにしていた男子生徒と女子たちは、お互いに関わり合うのはめんどくさいと思っていた。
修以外の生徒たちは、女子たちの発言やホワイトボードをきれいにしている生徒にも、興味を持っていなかった。

「な、なによ、別にいじめてたわけじゃないんだから、ひどい」

発言して女子グループを仕切っていた女子に言われたのを無視して、修は自分の席に戻った。
他人に無関係な生徒たちは、修が席に戻ると何事もなかったかのように、また自分たちの行動を始めた。
女子グループを仕切って発言していた女子生徒はそれ以上、修に何かを言ってきたりはしなかった。

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