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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1065

戦後の混乱期に、帰還兵の巽に襲撃されたヤクザの日笠山義龍。闇市にいた裕子に目をつけ、覚醒剤を使ったキメセクをして、妾にしようとした。その結果、巽と3人の朋輩である哲、修、豊に襲撃された。この日笠山義龍の容姿は、現在の鷺原征一郎にそっくりだった。
鷺原征一郎と竹田裕子が出会っていたとしたら、ドラッグ〈ange〉を使ったキメセクに征一郎と裕子がはまり、巽や3人の息子たちが鷺原征一郎の邸宅に乗り込んで、鷺原聖華を凌辱するという運命もあった。
鷺原征一郎が水野咲に惚れ、檜垣隆史の情報を探るべく動いたことで、鷺原征一郎が〈ange〉を使用している裕子と出会うタイミングは失われた。
幻想界はあらゆる時代の情報の破片が漂っていて、想像力によって破片は再構成されて現在へとあらわれてくる。
檜垣隆史が、カズキのパートナーだった高坂貞人を結果的に国外逃亡まで追い込んだ影響は、カズキが売人としての活動を止めて潜伏した結果、売人Mこと吉沢政広から、巽や裕子の手に〈ange〉が渡らなかった。
この地域に〈ange〉が蔓延していたら、Mに脇田友之は殺害されていなかったり、吉沢真麻が脇田友之の犠牲者になっていた運命もあった。北条真凛が〈ange〉を入手した竹田巽と関係を持つ運命や、ストーカーの菊谷亨に巽と真凛が殺害される運命もあった。
檜垣隆史が探偵の本条恵美たちと事件を解決したことや、水野咲を脇田友之から救助したことで、惨事が起きる運命は影響を受けて変化している。
それは同時に、北条真凛と時坂静のレズビアンの恋愛関係や、裕子と哲の母親と子の近親相姦の恋愛関係を引き起こしていた。
吉沢亜紀子と浅見美代子の惨事は、姫野紗季が娘の真帆を殺害して自殺した惨事につながっている。
因果のルートが複雑につながっている。そして、消えたり新たにあらわれたりしながら、それぞれ影響しあっている。
巽が北条真凛に出会う運命は存在しなくなった。さらに、過去の闇市をめぐる抗争や日笠山義龍の殺害という惨事の因果も消えたが、人が惨事や絶望で花が枯れるように死んでいく運命の犠牲になることは終わらない。
人が他人と関係性を長く持たないで放浪し続けた、人数の少ない小さな群れの縄文時代以前の狩猟の時代ではなく、世界中に人が集まり、国を持ち、街で暮らしている。運命に翻弄されながらも絶滅せずに暮らしている。
次男の高校一年生の修、三男の中学二年生の豊の二人にも、父親の巽や長男の哲とは性欲の妄想や愛情を感じる承認欲求がある。だが、父親や兄とは、またちがう考えを持っている。
巽は自己顕示の欲求を満たしてくれる相手とのセックスに夢中である。哲は裕子とのセックスで、他人から与えられる承認欲求と親から与えられる承認欲求を、同時に満たしてもらえている気分である。
裕子は夫の巽に満たしてもらえない承認欲求を、哲が満たしてくれて、ドラッグの快感や酩酊でうやむやにすることから脱し、息子の哲に恋をしている。
次男の修や三男の豊はどうやって心を満たしながら暮らしていたかというと、現実の人間関係には、過剰な期待を持たなくなっていた。
恋愛関係やセックスで心が満たされること。終戦直後の食糧難で、飢えや喧嘩でいつ死ぬかもしれない緊張の中でも、そこだけは信じていた人たちの時代の人たちからは、かけ離れた考えをしている。

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