媚薬の罠 1060
裕子は一階のリビングやキッチンにはいなかった。二階の自室のドアノブに手をかけたとき、両親の寝室から艶かしい声が、わずかに開いた扉の隙間から漏れていた。
哲は慎重に息を殺して、両親の寝室を覗いた哲は、母親の裕子が全裸でベッドに仰向けに寝そべっているのを見つめて、息を飲んだ。服はベッドの下の床に脱ぎ散らかされていた。
わずかに膝を曲げ、右手を股間に挟み、悩ましいあえぎ声を漏らしている。
(母さんが家でひとりのあいだにオナニーしてるなんて……あれ、なんだ、なんか口に入れたぞ?)
扇情的なあえぎ声を上げている母親の裕子の体つきは、哲が援助交際で出会った年上の女性たちよりも、想像以上に良いプロポーションをしている。
「はぁぅ、んっ、あぁっ……」
裕子の抑え気味の淫声が、哲の血の気を上げさせ、喉を渇かす。制服のスラックスの下で哲の股間のものが急膨張し、痛いほど張り詰めた。
(バカっ、母さんなのに、興奮してる場合じゃないだろ)
そうは思っても、足は根が生えたように動けない。自分のゲスさに嫌気がさしているのに、瞬きも忘れて目は血走り、呼吸も母親と同調して荒くなる一方だ。
すると、裕子か秘園を弄りつつ、むっちりとした乳房を左手で揉み始めた。
「くふぅ、んあぁっ、はぁぁん……っ」
揉まれているせいで、乳房のふくらみは強調され、見た目にも柔らかさが伝わってくる。
哲はこの場で思いきり扱きたくなった。オナニーで感じている母親の表情は、哲が想像したことがない牝の表情で、その分だけ生々しい。
「きゃっ、誰かいるの?!」
それまであえいでいた裕子が驚いた声を上げて、ベッドで上半身を起こした。
「あ、か、母さん、ただいま。ちょっと熱っぽいから、そ、早退したんだ」
「哲、そ、そうなの、おかえりなさい。ちょっとお昼寝してたの」
話を合わせて、裕子が平静を装う。だが声も上ずって、耳まで真っ赤になっている。まったく取り繕えてなどいない。
「ごめん、母さん、途中でじゃましちゃったみたいで、その……」
「じゃまって、なんのこと、私はちょっと横になっていただけよ」
「え、でも、声が」
この期に及んでシラを切った裕子の目がとろんと眠たげになっているのは、服用したドラッグが効き始めているからだ。
裕子はベッドから降りようとして、くらっとめまいを感じた時には、部屋に踏み込んできた哲にベッドに押し倒されてしまっていた。
「哲、だ、だめ、親子なのにっ、んんんっ、んっ……」
哲がキスで裕子の唇をふさいで、手は乳房を激しく揉みしだいていた。
裕子は哲が乳首にむしゃぶりついた時には、押し退けようとする力か抜けてしまい、びくっと敏感になって勃っている突起から走る快感に身悶えていた。