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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1051


(これがポルターガイスト現象というやつか。なるほど)

斎藤吾朗は張り込みをしながら、いわゆる怪奇現象について真面目に調べて独学していた。
鏡真緒は天井を見上げていた。
斎藤吾朗には見えていないが、天井に真っ暗な裂け目ができていて、脇田友之の白い顔がニヤニヤと笑って闇の中に浮かんでいて、鏡真緒を品定めでもするように見つめているのだ。
鏡真緒は不快感を感じている。
まるで真緒の服の下の裸の体をじろじろと舐めまわすような視線で、楽しそうに見つめている。
斎藤吾朗の身を護るために、真緒は闇に同化しかけている脇田友之の亡霊を睨みつけて、破邪の曼陀羅を思い浮かべていく。祈祷や儀式の舞いは、真緒には必要がない。ただ心を強く持って念じるだけで、ふきだまりをこの場から消すことができる。
ふぅ、と鏡真緒が深いため息をついた。
闇の裂け目も、脇田友之の亡霊も消えていた。それでも、部屋はふたりの犠牲者の遺体から流れた血の生臭さが満ちている。
浮世絵の無残絵さながらのベッドの上の吉沢亜紀子と浅見美代子の遺体である。鏡真緒はそれを見ても吐いたりしないので、斎藤吾朗はこの女もこっち側の人間だったのかと思った。
斎藤吾朗は、犯罪者と戦う側と犯罪者に狩られる側の人間の2つに分かれると思っている。

脇田友之というバラバラに解体された男性と、ベッドの上で愛し合って心中したかのような、レズビアンの女性ふたりの犠牲者。
観音力の強い疱瘡神の隠(おぬ)の3人の力を怨霊の群れの融合したふきだまりは欲しかった。だが、それが珠理と詠美だけでなく、北条真凛と時坂静、藤井茉莉と水越ユイ、隆史の別荘で暮らしている中島玲香と氷川奏など、生きる意思の強い女性たちの愛情の力に阻まれてしまう。
同じ街に暮らす榊原貴哉の代わりに、脇田友之を。原田珠理と山口詠美の代わりに、吉沢亜紀子と、姫野紗季の亡霊に取り込まれた浅見美代子を、怨霊の群れているふきだまりに連れ去った。

104号室がふきだまりの狩場にならないように、鏡真緒は疱瘡神の神社の跡地に、斎藤吾朗が簡単に掘り出されないように深めの穴を掘り、一緒に勾玉を2つ埋めた。陰と陽。陰陽道の太極図のように2色の勾玉は埋められた。
斎藤吾朗が色つきの緑色の勾玉に息をかけ、鏡真緒が純白の勾玉に息をかけた。

「これで怪奇現象がこの街で起きなくなるのか?」
「それは私には保証できません。しかし、ふきだまりに力が集中することは防げるはずです」

斎藤吾朗と鏡真緒は、イザナギとイザナミの国生みの儀式から続く護りの力とつながる呪法をこの地域へ施した。
カズキがこの街に訪れ売りさばいた〈ange〉の引き起こした事件で、マンションから投げ棄てられた嬰児と母親や、宮原清やフリーターの脇田友之、吉沢亜紀子や浅見美代子などの犠牲者が出た。
また、パワーバランスの乱れから引き起こされたAIDSの無自覚キャリアの人たちの増加の問題など、完全に解決したわけではない。
繁華街が性の発散する特別な場所の役目が維持されていれば、援助交際をする主婦が客を募集しても反応は薄い。
また、プロの性処理の介護をする風俗嬢は存在して、性処理以外にも定期的に会って話をするなどのカウンセリングを行っている。
かつての風習では、身内に自分で出歩いたりできない男性がいると、性処理は母親、妻、妹、娘などが手こきで射精させていた。
AIDSを広めてしまった富樫優が、もしも別の街で暮らしていたら、タブーとしてあまり語られない性処理の介護の歴史や現在の発展について知ることができたかもしれない。
ローション、オナホール、ダッチワイフと開発が進み、今は等身大の精巧な性欲処理用の美しいラブドールが特注で作ることもでき、理想の容姿のドールを使うことができる。中島玲香は檜垣隆史の別荘に拉致された時、特注品のラブドールとして段ボール箱に梱包されて運ばれてきた。
また医療の知識がある性欲処理もできる介護ヘルパーと風俗嬢と精神科のカウンセラーを兼ねたプロが存在している。
オナニーによる性欲処理のラブドールや、プロの性欲処理の介護などもあり、恋愛や結婚して性欲を発散するよりも社会的なプレッシャーや人間関係のストレスの少ない快適さが約束されている。
富樫優も知っていれば、自殺するほど悔やむ行動を選らばなかっただろう。
黒崎孝義の触手ちゃんは、レズビアン風俗のさらに発展したアレンジメントのひとつのかたちでもあるだろう。

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