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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1038

正人はそれをシングルマザーに聞かせたらよろこぶかもと、妻の志奈に話すと、志奈と鬼っ子様から絶対に言っちゃだめと注意された。
再婚したい人ができた時に、夫の幽霊がそばにいると知っていたら、新しい交際ができなくなるからと正人は言われて、たしかにそうかもしれないと思い、何度もうなずいて納得していた。
風水というのは生きている人が安心して暮らせて、死んでもとどまっている霊も鎮められている状況を作り出すというのがもともとの考え方だった。
死者の霊がおだやかに鎮められていないと、悪影響があるという考え方に基づいて、道路を整備したり、王の墳墓の場所を決めたりしていた。
鏡真緒は風水ではあり得ない道路が作られていたりすると、歩いていて違和感を感じる。
こうした見えない力の関わりによって力の淀み、ふきだまりができることの生者と霊に起きる悪影響を遮断したり、浄化するための役割が、神社、仏閣にはある。
羅針盤を使わずとも、鏡真緒は霊感によって方角も知ることができる。例外として富士の樹海だけは苦手で、感覚が乱される。
繁華街に鏡真緒は近づくのを躊躇した。淫気というべきか、心を乱す力が働いていると予想できた。富士の樹海の死へ誘う心への影響ほどではないにせよ、影響の強い場所には、できるだけ近づきたくない。
空海は平安時代初期の僧。諡号は弘法大師。真言宗の開祖。俗名は佐伯眞魚。中国より日本へ真言密教をもたらした人物である。鏡真緒は空海と声で聞くと同じ「まお」という名前を持つ祓魔師(ふつまし)である。真緒は檜垣隆史や島袋琉のような毒物への強い耐性を持つわけではない。霊感には、霊を視る力、霊と交感する力の観音力と、祓う力の鬼神力と大まかに2つに分けることができる。
霊を視る力は、同時に霊に存在を察知していると気づかれやすくなる。交感する力で霊に憑依され、生前の記憶や死後も抱いている感情や思念を感知するだけでなく、自分と霊が一体化した感覚になる危険がある。一体化した上で、鎮めることができなければ、自分が誰かわからなくなってしまう。心や思念が強いほうが身体の主導権を長く握ることができる。ひとつの身体に心がひとつという状況が正常の認識ならば、それは異常な状況に陥ったと感じ不安に苛まれる。
自分の心や意思を維持したまま、鎮めて浄化するのが観音力である。
鬼神力は観音力のように一体化して心になじませて取り込むような浄化のやり方ではない。霊を消去する感覚に近い。鬼神力を持つ者は少なく、修行によって身につく力ではない。生まれつきのものである。鏡真緒は、観音力と鬼神力をどちらも持つ稀有な才能の持ち主である。そのため空海と同じ呼び名である真緒と名づけられた。

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