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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1037

性にまつわる念が染みこんでいる場所である。北条真凛が勤めていたキャバクラTiaraが、性的サービスを追加して営業している。また老舗グループの系列のソープランドなどもある。
原田亮のかつての恋人の密売人のヤクザが自殺している場所。鎌田秀明と竹野滋が、ペーパーアシッドを取引した場所。密売人のカズキは、知らず知らずのうちに、こうした欲望のパワースポットを巡り、違法薬物を購入、転売して地域ごとの差額で儲けながら、時には車中泊などもして、足がつかないように渡り歩いていた。
祓魔師の鏡真緒は、霊感や風水の知識によって、この地域の欲望のパワースポットを見つけ出した。
フリーターだった山崎正人が暮らしていた鬼っ子様がいる事故物件の部屋があったコーポ月山は、憩いの場の神社側の駅と繁華街の間である。鬼っ子様は山崎正人の恋人の鈴木志奈を「おしな」と呼んでいた。山崎正人と鈴木志奈は前世でも夫婦で、宿場町でふたりは働いていた。簪作りの職人見習いの正人の前世の青年は、飯炊き女になったばかりのおしなという娘と、初め泊まり客と飯炊き女として関係を持った。職人の親方の身内の娘との縁談を蹴って、駆け落ちして夫婦となり、江戸の長屋で地道に暮らした。
山崎正人や鈴木志奈は前世の記憶、さらにその前も夫婦だった記憶は失っているが、今生では鬼っ子様が縁を取り持ち、中古の一軒家をローンで購入して、夫婦となり、双子の娘たちの親となって暮らしている。コーポ月山は老朽化のためにたて壊されて、現在は月極め駐車場となっている。
街はずれの一軒家に、鬼っ子様がお引っ越しできたのは、志奈の妊娠で、双子の娘とのつながりができたからである。
山崎正人は鬼っ子様から、生まれてくる子が双子の娘じゃと教えられ、理由をたずねた。正人と志奈が顔を見合せたあとふたりは、双子がいる下腹部あたりを優しい表情でそっと撫でた。

「前世でひどいことがあった分だけ、パパとママで幸せなことをいっぱい君たちに教えてやるから」
「鬼っ子様もいるから、安心して元気に産まれてきてね」

鬼っ子様は、ふたりに事情を話したら嫌がるかもしれないと、少し心配だった。そこで、今まで何度も夫婦になっているふたりに、やっと初めて子が授かったことも教えた。ふたりはそれを聞いて、とてもよろこんだ。
前世の記憶は消えている。
しかし、鬼っ子様から人が知らない前世の秘密を少しだけ教えられ、幻想界から、過去にとても子供が欲しかった感情がふたりに再構成されて、感情として心に芽生えた。
正人と志奈は目を潤ませて、鬼っ子様を驚かせた。

「そんなにふたりは、子が授かりたかったということかの。ふたりで暮らしたほうが苦労はなかろうに」

鬼っ子様をお引っ越しする方法を正人は探して、人との縁ができて、心霊現象の心あたたまる話を書く作家としての職を得た。
妊娠しているが出産する前に、夫を亡くしたシングルマザーが、分娩室で夫の幽霊が出産をそばで見るのが、生前から血を見るのが苦手だったので、入口のあたりで、心配そうに見ている姿を視た。
手を握ってと心の中で必死に言ったら、夫の幽霊が妻の手を握った。
その時は、夫の手の感触がちゃんとあったという。無事に産まれて、泣き声が聞こえた時に、夫の幽霊は感激して泣いていて、それを見たら産んでよかったと心から思った。
夫の幽霊は妻の手を離し、おつかれさまというような感じで、そっと頭を撫でた。
そして、妻に産院のスタッフが子供の顔を見せる前に夫の幽霊は子供の顔を見るために、すぅっと移動して消えてしまった。
それから、夫の幽霊は視ていない。出産で不安すぎて見た幻覚だったのかもと正人に、シングルマザーは3歳になった男の子の頭を撫でて話してくれた。
鬼っ子様に取材で聞いた話を聞かせると父親の霊は息子にずっと憑依して護っていて、妻を見守っているらしい。

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