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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1030

精悍な顔立ちだが、落ち着いた雰囲気のある斎藤吾朗は、本条恵美の探偵事務所を訪問した時、カメラマンの清水真奈美からは「イケメンヤクザ」と観察されて評されていた。この時、斎藤吾朗はヤクザの事務所の構成員として、ヤクザの組関係のつながりを潜入捜査していた。
オールバックの髪型や地味な色のスーツ姿は、その時と変わらず同じ装いである。ただし、私服警官ということで警官手帳や手錠、拳銃まて貸与されていることにちがいはある。
鏡真緒の服装は、全身黒ずくめで、喪服のような女性用のスーツ、黒ストッキング、黒革の手袋、黒髪のロングヘアー、黒色のロングコートはソファーに脱いだあと、丁寧に整えて置かれてある。
檜垣隆史が見たら、ふたりとも葬式にでも行くのかと聞くだろう。
コートの置き方やホットコーヒーの飲みかたなどから、斎藤吾朗は鏡真緒が几帳面な性格の女性だと観察していた。
鏡真緒も、目の前の斎藤吾朗が几帳面な性格だと感じた。公安の潜入捜査官。鏡真緒は、斎藤吾朗の職務については知らされていない。
一般人ではないと、ふたりとも雰囲気から感じていて、会話もふたりとも口数が少ない。
和やかな雰囲気はまったくない。

刺殺された姫野真帆の事件と犯人の母親の姫野紗季の自殺。
宮原清による吉沢真麻に対する性的暴行事件。
同アパートの北条真凛宅にて、不法侵入と下着泥棒の事件。
通りすがりの清心サポートセンター職員が104号室に連れ込まれ監禁、暴行された未解決事件。

「現在、失踪中の宮原清が犯人か、別の犯人かは不明。この住宅街は、防犯カメラなどがない死角な上に、通勤帰宅などの時間帯以外は人通りがほぼない。目撃された不審者の情報が得られない」

斎藤吾朗は持っている数少ない情報を、簡潔に鏡真緒へ伝えた。和やかな会話になる内容ではないのは、間違いない。

鏡真緒はこの地域の土地を護るはずの神社を事前に調べていた。管理者が失踪してしまっていて、一応跡地だけが残っている。
神社には、疱瘡神を鎮めて祀られていた。
この地域の神社がない状況は、あまり良いものではない。

(神社が無くなってる事と、事件は関係ないだろう。何の話をしているんだ、この人は?)

斎藤吾朗は黙って聞いているが、少し困惑していた。
鏡真緒が、心霊現象としての影響が原因で、104号室や特定のアパートで事件が起きているという可能性があることを語っている。
斎藤吾朗には、そうした考えがないので意味がわからない。
檜垣隆史なら、祓魔師ではないがすぐに話が通じるのに、なんで話が通じない普通の人と退魔行をしなければならないのか、顔には出さないが鏡真緒は内心で少し苛立っている。
檜垣隆史の考えは、公安のなかに心霊現象の事件に対処できる特殊な捜査チームを作ってみればいいという提案であり、その特殊任務捜査官の最初の一人として斎藤吾朗が指名されたのである。
公安への民間協力者は、ハッカーなどをふくめて、さまざまな分野の人間が実はかなり存在する。
正式な政府機関による心霊現象関連の捜査は、現在では行われていなかった。平安時代には、陰陽師や鬼退治を命じられた人物たちが存在していた。
政府機関への協力者として、檜垣隆史が高野山の祓魔師のなかから選んで指名した人物が、鏡真緒だった。

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