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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1029

翌日、被害者女性の樋口成美(ひぐちなるみ)のカウンセリングを行い、離脱症状(禁断症状)がないことを倉持志織は確認した。
不眠、過眠、筋肉や関節の痛み、痙攣発作、食欲亢進、脱力、嘔吐、下痢、異常な発汗など、ドラッグの種類によってちがいがあるが、使用した時に日常的に行っていることが行われなかったことで、身体に負荷がかかり、疲労した状態を回復するために起きる症状がある。
それとは別に個人差があるが、抑鬱、不安、焦燥、幻覚、妄想、風邪のような症状、めまい、音に敏感になる、涙が出続けるなどの疲労の回復ではなく、感情の乱れや、不快に感じた記憶がよみがえったり、感情が高ぶった時と同じ身体の反応があらわれることがある。
檜垣隆史の解毒薬の効き目を、倉持志織は実感した。
暴行されたことの恐怖から怒りへと変化していく感情は、檜垣隆史に会ったという驚きや、添い寝をしてふれあうことで軽減されているようだった。

「今回はあなたを心配なされた檜垣様が特別に来て下さり、阿部さんにあなたが苦しみや悲しみから1日でも早く癒されるのを助けるように指示をされました。これは特別なことです。
他の信者たちにも、あなたのようにつらいことがあった人たちもおられます。
もしも、その人たちがあなたのところには檜垣様が来られて、なぜ私たちもつらく苦しいのに、私たちのところには檜垣様は救いに来て下さられないのでしょうか、と私は聞かれたとしても、どのように答えればよいかわかりません。
だから、他の信者たちには、体験したことはしばらく語らずに、神や檜垣様に感謝しながら、苦しみを抱えた女性たちのもとへ、私たちは試練をおそれずに会いに行きましょう。
とてもつらい経験をしたあなたならば、苦しむ女性たちの気持ちに、他のつらい経験をしたことのない人たちよりも、そして前よりもずっと寄り添うことができるでしょう。それが、きっと、あなたの使命なのですよ」

倉持志織は、樋口成美に抱擁した。
樋口成美にも倉持志織は他の信者へ口止めをしながら、今後も成美が、天満教の布教を続けるように語りかける。
被害者が世界を憎んだり恨んだりしないように、倉持志織はカウンセリングする。
女性保護活動をしていると、配偶者や同棲する相手から、家庭内暴力をふるわれている相談者のケースもある。
それが性暴力のケースもある。
交際相手や配偶者から、ドラッグを使用され、別れても止められなくなるケースもある。
樋口成美は、ドラッグの効果の酩酊、その後の錯乱を経験した。酩酊している状態での性的暴行も経験した。
相談者が恥ずかしがり伝えられない部分を、樋口成美は想像することができるだろう。
ドラッグを使用した状態でセックスすることの快感を受け入れてしまうと、ドラッグとセックスを切り離せなくなる。
ドラッグなしでのセックスは、もう考えられなくなってしまう依存。
樋口成美は、檜垣隆史と阿部美紀によって、キメセクの相手に感じるいつわりの親近感と、スキンシップの親近感は似ていることや、錯乱の恐怖と不安から抜け出すためにドラッグに頼るのか、人のつながりに頼るのか。ひとりではどうにもならないことへの無力感や絶望があることを教えられた。

檜垣隆史の御使命を受けて、公安の捜査官の斎藤吾朗と問題の104号室へ訪れたのは、祓魔師の鏡真緒だった。
高野山から連絡を受けた鏡真緒という祓魔師は、一緒に退魔行、つまりお祓いの儀式をするための協力者に、なぜ私服警官が来たのか吾朗に説明されるまでわからなかった。
檜垣隆史に御指名されて、それぞれの組織、公安と高野山というまったく関係がない組織から派遣されたふたりは、104号室から離れた昼間のファミレスで待ち合わせをした。
このファミレスはかつて椎名瑶子が大学生の頃にアルバイトをしていた店で、ふたりがいるテーブル席は、檜垣隆史が来店してよく利用していた席だと、このふたりは知らない。

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