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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1026

その間に真帆ちゃんは刺殺され、自宅のドアの前に帰宅したまあちゃんが遺体を見つけて、亜紀子が早退した職場の近所のスーパーに血まみれの手で駆け込んだ。
職場には亜紀子は病院へ行っていたと話した。警察には紗季の遺書を提出して、秀明と相談していたと説明した。
秀明はこのことで自分を責めてドラッグを乱用。
今は病院の入退院を繰り返して、働けず生活保護受給者となっている。
こうして、亜紀子の紗季への復讐は終わった。
愛した秀明は、過去の記憶と今の妄想が混ざり合うと、104号室を自分の部屋だと思い込んで、誰も住んでいない時も玄関のドアを激しく叩き、蹴り、疲れ果てると泣き崩れ、救急車で病院に搬送されていた。
まあちゃんは、紗季と真帆ちゃんの死の噂によって学校でいじめられている。

「清くん、私の話したことは秘密にしてほしいの。真麻には絶対に言わないで。そのかわり、私のことは、あなたの好きにしてもいいわ」

宮原清は、まあちゃんこと吉沢真麻をレイプして、逃亡。逃亡資金も尽きて、樹海に自殺しようと踏み込んた。途中で気が変わり、樹海から出ようとしたが遭難して死亡。
もしも、生前の宮原清の容姿を知るものがいれば、脇田友之と宮原清の容姿は、一卵性の双子のように似ていることに気がつくだろう。
宮原清と脇田友之。
生まれた年代や場所、血のつながりも全く異なるふたりが、顔つきや雰囲気が似ている。そして、このふたりは104号室に呼ばれた。
脇田友之は、裏バイトの経験から性的暴行に興奮を感じる性癖に目覚め、また人妻の浅見美代子が彼にドラッグを与えたことで、行動の抑制ができなくなった。宮原清は、もともと幼児性癖という、自分よりも腕力や立場も劣る相手に性的興奮を感じる暴力的な傾向を願望として持っていた。吉沢亜紀子が彼にドラッグを与えたことで、行動の抑制ができなくなった。
脇田友之や宮原清が犯罪行為を行ったことで、相手に与えた影響はそれぞれちがう。彼らの暴力によって、被害者の心に残したものが、相手のその後の生き方に影響を与えたという意味では同じ。
脇田友之や宮原清は、それまではどんなに性癖があっても、それは他人へかかわりに露骨に向けられることはなかった。
本人たちも自分の性的な妄想を他人へ知られることを恥じて、自分に対して相手が抱いているイメージを壊すことで、嫌われたり、軽蔑されるのをおそれた。
しかし、このふたりには、どんな自分であっても受け入れてもらい愛されたいという願望がある。
自分という心と身体、それまでの生きてきた行動までふくめて丸ごと愛されたいと望んでも、それが不可能なことだと諦めきれない。
たとえそれが嘘であっても、そう感じさせてもらえる一瞬を、ドラッグと性的な暴力に求めた。
浅見美代子や吉沢亜紀子が、ドラッグを使用して脇田友之や宮原清とセックスをする時、浅見美代子はその間だけ、ただのひとりの女性になる。吉沢亜紀子も同じだった。
脇田友之と宮原清は、ドラッグの効果と快感に溺れて、ただひとりの男性とただひとりの女性という簡略化された状態になれたら、相手から拒まれることはないと思い込んでしまった。
どんなにわかりあえなくても、死んでしまえばみんな同じ、そう考え、お父さんもお母さんも同じぐらい好きとどちらか選べない娘も、同じ男性を好きになるぐらい大好きだった人と今は敵対している自分も終わりにして消去したいと望んで実行してしまった紗季は、ドラッグや酒の酩酊の簡略化のさらに先、死という大きな空っぽに全部捨ててしまった。
そのはずだった。
愛されることだけでなく、死からも見放された紗季の104号室に残留する怨念は、簡略化の果てに肉体や人間関係からも解放された意識だけの弱い力のできそこないではなく、単純に死へ導く強い力に合わさってなりたがっていた。
もうそれは紗季という個人という意識もなく、死への願望を死という行動へ導く、小さな見えざる暴力と成り果てていた。

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