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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1016

鷺原征一郎が、銀座で強引に島田理沙子や本田綾に、例えば金銭で情報を買い取るような礼儀知らずの無粋な行為をする男性であれば、ふたりから慶龍飯店を教えられていたにちがいない。
また、本条恵美に鷺原征一郎が檜垣隆史について、何か情報を聞き出そうとしていたら、本条恵美の助手の谷崎麗の〈神眼〉で、逆に尋問されて洗いざらい征一郎は自供させられた上で、檜垣隆史にどうするか確認するために連絡されていただろう。「裸で外を走りまわらせておいていいかな?」と谷崎麗は、娘の親友に手を出そうとした父親を制裁する。谷崎麗の父親、谷崎龍之介は早く亡くなったので、谷崎麗の記憶にはない。父親への憧れ、こうあってほしいという思いがその分だけ強いからである。
鷺原征一郎は天満教の魔性の女である吉川愛海に狙われたおかげで、危機を回避できたともいえる。

吉川愛海との情事を指摘された鷺原征一郎は、上品ぶった紳士を装う必要はないかと思ったが、どうやら倉持志織は吉川愛海と肉体関係を持ったことを非難する雰囲気ではないのがわかった。

「ええ、彼女とセックスしました。行きずりの関係で、女性と情報交換することもあります」

鷺原征一郎はできるだけ落ち着いた口調で、倉持志織の推理が当たっていることを、手は緊張して汗ばんでいたが開き直って言ってみた。
倉持志織の上品に見える微笑みは、征一郎の返事を聞いても変わらず、表情を曇らせることはなかった。

「彼女から、私は鷺原さんが何かお悩みの様子で心配だとうかがっています。私で良ければ相談を聞かせていただくこともできますよ」

悩み事を相手から話させるのも、勧誘では、よく使われる手口だった。

鷺原征一郎は、檜垣隆史と目の前にいる倉持志織の関係を知らない。
檜垣隆史の噂を鷺原征一郎に話してくれた外務省職員が島流しのような左遷をされて、日本国内から遠ざけられていることは、女性の保護活動を熱心に行っている一般女性に話してみても、実感のわかない話にちがいないと鷺原征一郎は黙って目を伏せて考えた。

倉持志織は相手から何かを話し始めるのを、上品な作り笑いを浮かべたまま待っている。他人の作り笑いと本当の笑顔を簡単に見分けることは難しい。例えば、航空機の客室乗務員は作り笑いを作るために努力をする。それば航空機を利用する乗客を安心させるサービスであり、同時に自分のプライベートの心に踏み込ませないための柔らかな盾でもある。

先に口を開いたのは鷺原征一郎だった。

「あの倉持さん、恋に年齢制限はあると思いますか?」
「片思いであれば、年齢制限はないと私は思います」

倉持志織の回答は簡潔である。
そのあと、相手に理由を求められたら説明するが、相手が納得するようなら説明したりはしない。

「男性と女性で両想いが成立するのは、何歳の年齢差までだと思いますか?」

この質問には、倉持志織は少し回答するまで考える時間が必要だった。

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