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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1011

銀座の「パンドラ」の島田理沙子や本田綾とは、倉持志織はちがう。
檜垣隆史の愛人であることや、天満教の教祖北川天と檜垣隆史との一件を、うかつに鷺原征一郎に話したりはしない。
前に島袋琉(しまぶくろれん)が檜垣隆史に会いたいと情報を嗅ぎ回っていた時は、すでに徐麗花に琉は会って威嚇されていて、事前に島袋琉が俺のことを聞きに来ると隆史本人から、志織は連絡を受けていた。
吉川愛海が鷺原征一郎とセックスしているあいだに、倉持志織は鷺原征一郎について情報を集めて確認していた。
鷺原征一郎はセックスのあと、吉川愛海から投資に興味があってホテルのカフェに来ていたことや、女性を支援するNPO法人清心サポートセンターの職員である素性を聞いた。
自己啓発セミナーのイベントで、サポートセンターの責任者である倉持志織が講師でフェミニズムの歴史の講義をする。倉持志織なら人脈が広いので、もしかしたら、鷺原征一郎の知りたい檜垣隆史という人の話を知っているかもしれないので、職員の吉川愛海が責任者の倉持志織に鷺原征一郎を紹介するということだった。その代わり、参加費は愛海が出すので、フェミニズムの歴史に興味がなくても一緒にセミナーに参加して欲しいということだった。
鷺原征一郎が宗教団体の勧誘の可能性を想像しなかったのは、愛海とセックスをした親近感もあった。また勧誘でセックスまではしないだろうという常識の思い込みがあったからである。
吉川愛海は勧誘するときもターゲットと趣味と実益もかねて、セックスをする女性である。

この鷺原征一郎が天満教の信者に勧誘されかかった一件を、のちに聞いた檜垣隆史が、コスプレ企画で、どんなキャラクターをコスプレして欲しいかふたりに聞かれ、鷺原聖華と水野咲に、天満教の魔性の女の吉川愛海のイメージも重ねて、ルパン三世の峰不二子のコスプレをリクエストすることになる。

「ルパン三世にしてはね、隆史さんは、ちょっとぽっちゃりだから」

鷺原聖華と水野咲の写真集を、檜垣隆史が手渡すと、緒川翠は笑いながらそう言った。

「フェミニズムは女性も男性のようにふるまいたいとか、弱者が強者になるにはどうするべきかという方法ではありません。むしろ弱者が弱者のままで、尊重されることを求める思想です」

「人はいつ、どんなときに弱者になるかわかりません。しかも、どんな人であってもいつかは老いて弱者になっていく存在です。フェミニズムは女性への差別が歴史上でどのように行われたのかを教えてくれます。そして同時にフェミニズムは、私たちにとって自由や平等とは何かという問いから始まった思想なので、男性と女性どちらかの問題と考えてはいけません。女性は被害者と決めつけてしまえば、女性が同じ女性に対して偏見な差別を持っていた事実を見落としてしまうことになります」

「人は弱者として生まれ、弱者として死んでいきます。強者である期間は人生のあいだで期限つきの期間にすぎないことになります。しかし、それは社会的に強者か弱者かと自分の立場を当てはめた考えであって、ライオンの群れのオスライオンの一生という観察記録とかわらないでしょう」

フェミニズムという思想を土台にして、どのような社会問題を解決する運動が行われたのか。
また行動の強い動機となったどんな出来事が、解決したい社会問題として考えられたのか。
倉持志織の講義を聞いていて、人はなぜ行動するのか、ということを鷺原征一郎は途中から考えさせられていることに気がつき、隣で講義を聞いている吉川愛海と自分はどうしてセックスしたのか、また水野咲とセックスしたいとなぜ自分はこんなに思ってしまうのか、それを征一郎は考えているうちに、講義の時間はあっという間に終わっていた。

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