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媚薬の罠
官能リレー小説 - レイプ

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媚薬の罠 1005

それは、会員制高級クラブ「パンドラ」で交わされる噂、援助交際の風俗嬢から聞く噂もふくめて、同業者にとっても経営に有益な情報である可能性が高いからである。
「パンドラ」の会員の客が自分の店にも来てくれているというだけで、評判が上がると別の高級クラブの経営者は、鷺原征一郎に話していた。
島田理沙子は、閉店した店舗をまた新しい経営者が使って商売を始めるので、心配はないと話して「パンドラ」もそうした閉店した店舗を買い取るところから商売を始めたことを話した。
その時に資金提供してくれたのが、檜垣隆史だったことや、自分も鷺原聖華や水野咲と同じ檜垣隆史の愛妾であることを征一郎に島田理沙子は話して聞かせた。
政財界の重鎮や文壇人、芸能人が訪れる社交場であり「日本の夜の商工会議所」と高級クラブは呼ばれている。
プラザ合意とは1985年9月22日、先進5ヶ国の財務大臣・中央銀行総裁会議により発表された為替レート安定化に関する合意の通称。
その効果によるその後のバブルの頃は、銀座の客の飲み方は半端ではなかった。当時、高級ブランデーのルイ13世は1本30万円はするといわれていたが、2つに切ったメロンをくり抜き、そこに注ぐのが銀座ルールだった。しかしバブル崩壊、リーマンショック、そして東日本大震災と、景気後退は続いた。その後、やっとアベノミクスの効果で、持ち直しつつあるとはいえ、銀座はまだその当時ほどの勢いはない。
鷺原征一郎は若い頃に連れられて来た頃の銀座、その後の景気後退していった頃の銀座を知っている。そして、現在の銀座の雰囲気を感じて、あまり日本の景気は良くないと思って、征一郎はついさみしげな声になった。
島田理沙子も、銀座の高級クラブが日本の景気を鏡のように反映していることを、よく理解している。
銀座のホステスだけではなく、他の地域のホステスでも、彼氏がいること、結婚していることや離婚歴があること、子供がいることなどは、客へのサービスとして話さないセオリーがある。
彼氏や恋人がいるか客に教えないのは、もしかしたら、自分にもチャンスがあるかもしれないと思って出会いを期待する客もいるからである。だから、結婚していても言わないでいる方が、客の夢を壊さない。
また、離婚の経験も言わない方が無難。社交場は客にとって実生活から少し離れた場所。だから家庭、仕事とか少し離れ、夫、父親、息子など様々な役割をしばし忘れて自分になれる場所でもある。実生活を思い出させる話は避けるのがセオリーである。
しかし、島田理沙子はあえてホステスの接客のセオリーを破って、鷺原征一郎に自分が檜垣隆史の愛妾であることを話した。
客の家族の話は、客が自慢してきたら称賛するために知っていることを話すのでなければ、実生活を感じさせる話題なので避けるものである。
セオリーとして、苦労話などもそこから何かを学んだり得をしたという話の展開や、悩む客へのアドバイスでなければ、ホステスの愚痴を聞かせられていると感じる客もいるので避けるものである。気分が暗くなるネガティブな会話を客は嫌う。ネガティブな話ばかりする女性のことを運が悪そうだと感じ、一緒にいることで自分自身の運も悪くなりそうだと思うことがある。
島田理沙子はセオリーを知らないわけではない。接客のセオリーを使うことは、客への気づかいになることを、働くホステスたちに教える立場にある経営者なのである。
客がどんな肩書きの人物なのか、隣りの席の会話が聞こえて「あの人は誰?」と聞かれることがあったとしても、会社名や名前も、基本的に一切教えない。また、いつ来店したか、誰と来たのか、どんな話を自分に聞かせたか、次はいつ頃に来店するか、そうしたことをもし聞かれても客に教えないのは、接客のセオリーである。
しかし、鷺原征一郎は檜垣隆史と面会する機会を、島田理沙子に作ってもらうために来店している。そこを理沙子はわかっているので、先に接客のセオリーをあえて理沙子が破って、鷺原征一郎が檜垣隆史への面会を頼みやすいようにした。

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