レースクイーンの悲劇 4
紫苑の方は読者モデルの経験もあって手馴れた感じでカメラの前でポーズをとる。
栞はその紫苑の姿を見よう見まねで必死だ。
(シオンさん、すごい…)
「2人のスリーサイズはどんなものかな」
幸成が担当者に尋ねる。
「黒のビキニの牧瀬紫苑ちゃんが身長165cm、上から88・58・89。白のビキニの秋月栞ちゃんが158cm、91・59・88」
「ほう」
読み上げられるのを聞いて栞は顔を赤くしてしまう。
「可愛らしくて、その反面身体は一線級のグラビアアイドル並み、絶対に売れる素材じゃないか」
幸成は椅子に座ったまま紫苑と栞を交互に見比べる。
「2人とも、つてのある芸能事務所に紹介したいくらいだ。その気はないのかな?」
幸成は2人に尋ねた。
「チャンスがあるなら、私はやってみたいです」
紫苑は自信をもって答える。
「私は…正直そこまでは…」
栞は俯きながらも自分の今の気持ちを伝える。
「そうか」
2人の気持ちを聞き、幸成は小さくそう言った。
「大事なのは君たちの気持ちだ。とりあえず、友人の事務所には話をしておくから」
「ありがとうございます」
紫苑が頭を下げる。
「栞ちゃんも、気が変わったら、ぜひ」
幸成は爽やかな笑顔で、栞に向けて言った。
撮影が終わり、栞と紫苑は私服に着替えスタジオを後にしようとした。
着替えを終えて一緒にスタジオを出るはずだった2人だが、栞がトイレに行くと言ったのでそこで別れることにした。紫苑は彼氏と待ち合わせをしていたのだ。
「またね、しーちゃん!」
「はい!」
笑顔で紫苑の姿を見送る栞。ただその心の中はまだ迷いがあった。
一人トイレに向かう栞。
「きゃっ!?」
不意に手を掴まれた。
「やっ、誰、誰ですかっ!?」
「あんなエロい身体見せられてグラビアやらないとか嘘だろ?せっかくのいい女がなぁ〜」
栞の後をつけていたのは、撮影で同席したカメラマンの男だった。
「こんな身体でまだJKなわけだろ、これから成長するといい女になるぜ〜」
「やっ、やめて…イヤぁ!!!」
学校帰りにスタジオにやってきた栞は制服姿。
カメラマンの男はその制服の上から栞の巨乳を揉みまくる。
「勿体ねぇなぁ、実に勿体ねぇ」
男は栞の巨乳を揉みながら呟く。
「俺が大人気グラドルに仕立ててやるのになぁ」