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ふと気がつくと
官能リレー小説 - レイプ

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ふと気がつくと 19


鷲谷莉緒と阿部真理亜。
莉緒はジャンキーだった。
真理亜はアル中だった。
今はこの二人は姉妹のように仲が良い。
教会のシスターだったあるセラピストが世話をしていた。
このセラピストに俺も世話になったことがある。
残念ながら癌で亡くなったのだが、莉緒と真理亜と俺の三人でこのセラピストのボランティアを受け継いだ。
薬物依存やアルコール依存の自助グループを訪問して話を聞いてやり「神はあなたをいつも見守ってくれています」と復唱させて帰っていくボランティアのシスター。
普段の仕事は占い師をしていた。
占いが当たるかどうかよりも、相談を持ちかけた相手が自分なりに納得して、すっきりした顔で帰らせるのが得意な美人だった。
俺が恋をした相手で、俺は二十歳で、セラピストは四十歳だったが、見た目の容姿は二十代後半から三十代前半だった。
そして、もうひとつの秘密があった。
セラピストの高橋優は実は男性だか、さらに「私は女性の心で生まれてきました」という人だった。
俺はそれにまったく気づくことなく女性だと思いこんで恋に落ちたのだった。

見た目は完全にシスターだが牧師で、そのため、男性らしい服装や髪型をして布教を求められて、高橋優はこう答えた。
「神はすべてをお許しになられております。それに男性であれ、女性であれ、みな神の子であることにかわりはありません」
単純に女人禁制で結婚すら禁じられている教会で、シスターにしか見えない姿で歩き回られると落ち着かないということなのだが。
こうして高橋優は牧師の資格を持ちながら教会での布教は行えず、占い師として生活していた。

催眠でナンパしてやりたい放題をしていた二十歳の俺は、恋なんてないものだと思っていた。
どんな恋人たちや夫婦でも、女たちは俺とのセックスのあとでは虜になって、俺が飽きても肉体関係を求めてきた。
捨てた女たちがその後どうなったかなんて想像もしなかったし、どうでもよかった。
女たちは俺とのセックス依存から逃げるために他のものに快楽を求め、売春、薬物依存、アルコール依存、盗癖、などで心の隙間を埋めていた。
他のセラピストたちとはちがい、高橋優は「悩める子羊たち」と面会し、俺とのセックスが引き金になっていることに気がついたのだった。


「あなたは神を信じますか?」
「は?」
俺は就職した職場になじめず退社して、フリーターとして暮らしていた。
フリーターでは将来的に不安を感じるのか、普通にナンパしても、一夜限りの遊びはあっても、女性たちとつきあう関係にはなれなかった。
(結局は金かよ、ちくしょう)
とイライラすることはたくさんあった。
「金は信じるよ、金があればやらせてくれるやつは腐るほどいるから」
「いるでしょうね、でも、それと神がいることはまったくちがうことなのです」
高橋優が俺に何を言っているのか、さっぱりわからなかった。

ナンパするには最適な繁華街とホテル街が近い、待ち合わせスポットの公園で、夕方、日が暮れてこれからというときに、高橋優が俺に声をかけてきた。
(今度、声をかけるときに、神を信じますか、って言ってみるか。びっくりして立ち止まるかもな)
「わかった、神様はいる、でも、俺と関係ない感じでいるってことでいいかな?」
「関係ありますよ。神はそれぞれの心にいます。神にはできなくても、あなたにはできることがあります。興味を持っていただけましたか?」
「俺にしかできないこと?」
「そうです。私の名刺をさしあげます。興味を持ったら来て下さいね」
そう言って、その日の高橋優はあっさり俺から離れていった。
(これは新手の逆ナンパか?)
俺は上着のポケットに高橋優の名刺を入れて、催眠なしでナンパできそうな女をベンチに座って探していた。

催眠なしでナンパすることにしたのは、催眠を使えば簡単に女とやれる。やったあと、つきあうこともできる。
そして、自分はただの女たちに使われる性欲処理の道具にすぎない気がしてきて嫌気がさすと、俺のことを忘れさせて関係を断った。
ありのままの自分で愛されたい。
そういうことだったのだが、自分がそう思っていることを心のどこかで認めたくなくて、催眠なしでナンパをするということで折り合いをつけていた。

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