参加者はレイパーと観客となる。
レイパーは基本的には観客としては賭けに直接参加できない。しかし、観客に金を渡し代わりに賭けてもらうことは可能である。
観客はレイパーのレイプに直接は関与できない。しかし、スタンガンなど道具を貸与したり、移動の交通費や宿泊費などを支援することもできる。
サポーターと呼ばれる観客である。
レイパーは最短２４時間から最長十日の期限を選択し、案内人にターゲットと期限を宣言する。
観客はレイパーの名前と残り期限をサイトから知ることができる。賞金獲得金額によりSS、S、A、B、C、Dランクのレイパーに分けられる。上位10人は順位づけされて公開される。
ランカーレイパーと呼ばれるレイパーである。
輪姦の場合はチームレイパーとしてこちらの場合はランクはAまでとなる。チームのうちリーダーが脱落しなければ、賞金獲得の権利がある。
チームランキングもある。
チームメンバーの人数は二人から十人までと決まっている。チームの場合、レイパーメンバーは全員男性である必要はない。リーダーが女性でサブメンバーが男性というチームもいる。
単独レイパー、リーダーレイパーは前科がないことが条件で、サブメンバーに関しては前科があっても参加できる。
「ヤクザはこのゲームを使いこなせないと思うんだけどな。どう思う？」
参加者たちの意欲を満たす金。今の暴力団規制法により弱体化したヤクザ。どの組でも用意するのが難しい金額。
スポンサーが必要だ。どうやって今、この常軌を逸したゲームが行われているのか。
システムそのものはヤクザが店舗型裏カジノである雀荘、バカラ賭博、違法ゲーム機や裏ROMがついたパチンコ機やスロット機を置いた会員制の店舗経営から、ネットカジノへと経営を移行したものと大差はない。
海外のサーバーを経由すると足取りが途中で途絶えてしまうのを利用したアダルト動画の配信サイトからヒントを得てヤクザはネットカジノを運営したことがあった。
実務上の手間はプログラマーの構築したプログラムが補ってくれる。
「流生、ネットカジノでもありがちなミスは、ハッカーにデータを好き放題に改竄されて金を動かされたってことなんだが、このレイプゲームはハッカーの被害はどうなんだ？」
レイパーが動画を送信する。
それが関係ない動画でも、セキュリティの識別を利用して誤認させれば賞金は振り込まれる。
ハッカー被害によりネットカジノは衰退した。
「今は逆にハッカーたちはおとなしくしてるし、事件に関わりたくなければ閲覧した痕跡を消すのに必死だよ。警察が閲覧履歴を民間の企業のプログラマーに解析を委託してるからね。ヤクザの人たちは早すぎたんだよ」
バソコンは普及していたが、今ほどネット規制もなく、ネットは世界規模にまで一般普及していなかった。
オンラインゲームのリアルマネートレードがわずかに話題になる程度だった。
海外ではハッカー対策としての法規制はあったが、日本では緩かった。
他人になりすまし、ネット上で脅迫文を送って逮捕されたハッカーの事件から本格的に法規制を導入した。
警察の捜査でネット上の情報公開が認められてなかったが、ネットの掲示板で援助交際をする18歳未満の女性たちを取り締まることができず、サイト運営者を明確にすることなどから少しずつ法規制を整えていった。
その結果、抑止力でもあったハッカーたちのネットサイトへの介入を敬遠させることになった。
裏ビデオから裏DVDの販売をシノギにしていて逮捕されたことのあるヤクザの構成員からすれば、なぜ逮捕されたのかわからなくなるだろう。
ネットで海外サーバー経由でスマホで無修正動画がダウンロードするのを警察が規制できないなら「ダウンロードするためにスマホが使われるのを知っていてスマホを販売している企業の社長を逮捕するべきだ」と言い出しかねない。