人肉加工処理場 4
リストを閉じたチャンは秘書のリーに命じ、そのまま飼育小屋を案内させる。
C国ということでイメージされていた劣悪な環境と違い、清潔感はあるが、まるで収容所のような檻の並ぶ部屋には女達…出荷を待つ者達が恨めしそうに牢の外を歩く春男達を見つめ返していた。
「ご心配なく、教育は徹底されていますから、反撃されることはまずありません」
こんな事をされている女性を見ても心は痛まないのか…そんな事をリーに訪ねたくなる気持ちを抑え、春男はゆっくりと収容室の女性達を見つめていく。
見れば肉質や人種のバリエーションにも拘りがあるのか、女性達は東洋系から白人、アラブ系にスラブ系、アングロサクソンや黒人、ラテンアメリカ…ヒスパニックに至るまで、様々な人種が取りそろえられ、皆が一様に死んだ魚のような目つきでこちらを見ては、手術着のような白い服を着て、首輪をはめてこちらを見つめている…年齢も幼児からある程度身体に脂の乗った熟女まで…まさしく人種のデパートとしか言いようがないくらいに様々だ。
リーはそんな春男の観察眼が気になったのか、楽しげに語りかける。
「これ以上年を取ると脂が乗りすぎて肉が臭くなりますし、これ以下の年齢では食事よりも胎盤食や薬品…漢方に使われてしまいますからね…彼女達は今が食べ頃です、貴方の叔父様は20代の豚を好みますが…さあ、こちらに…おまちかねの豚ですよ?」
穂を止めたリーが案内する先には、春男が探して止まなかった妹…夏美が立っていた。
「な…夏美…ようやくあえたな…待ってたぜ?」
「…あ、あぁ…あっ…」
夏美はストレスからかやや太り、青白い顔でこちらを見ては、そのまま目に涙を浮かべていた…言葉を喋れないように調教されているのか、喘ぎ泣くだけだが…それでも今は生きていただけありがたい。
「…ふふ、俺が助けに来たと思っていやがる…さて、叔父さんは豚を選び終わったかな?なあ、リーさん」
まるでテレビに出てくる安っぽい悪役だ…春男はそんな事を考えリーに訪ねかけながら…ふと疑問に思い訪ねかけた。
「そう言えばリーさんは…その、豚は食べないのかい?まあ、ベジタリアンかもしれないけどさ」
「ふふ…私は食べられる方が好みですからね?何なら私を買いますか?春男さん」
「へ?」
あまりにもよく解らない言葉に春男は首をひねり、音程のはずれた声を出した。
「そ、そりゃあ…あんたはいい女だけど…その、食べるのは人道的に…まずくないか?」
「それは見当違いですよ?春男さん…どうですか?私を食べたい…その一言を言うだけで、この肉体を好きなだけ食べられるんですよ?練習用に持ってこいだと思いませんか?」
話しながらもリーの瞳は次第に妖しく光り、舌なめずりをしながらも訪ねかけ始め…どこか春男は気圧され始めていた。
そして春男の中にはある考えが浮かぶ…リーはもしかしてこちらをいぶかしんで、自分でブラフを言っているのかもしれない…と。
それに…春男は考えていた。
確かにリーの魅力的な身体を豚として食せば、それはとても甘美で魅力的なことなのだろう、と。
…あの身体を無理矢理押さえつけ、犯し、気品ある顔を崩させ、生きたままあの肉の味わいを楽しめればどれだけ楽しいだろう…。
「どういたしますか?ミスター…」
「…決まってる、食わせてくれるなら、アンタを味わいたい、リー…こいつの前菜に、な。」
俺はもったいぶった言い方で話しかけ、夏美の乳房を鷲掴みにした。
(すまないな、夏美…帰るための辛抱だ…)
「あ、あうっ…んあぁっ…」
夏美は口から甘い声を漏らし、手術着のような服に母乳のシミを作る…乳房にはどうやら何かしらの改造を施しているらしいが…仕方ない、命があっただけ本当に儲け者だ。
「フフ…解りました、では狩りの準備を致します…お楽しみに…」
そうつぶやくとリーは出口へと春男を案内した。
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